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カテゴリ:美術展・展覧会など
![]() ヨハネス・フェルメールに帰属《聖プラクセディス》1655年、油彩/カンヴァス、101.6x82 cm(寄蔵作品) しばしば美術館で「レンブラントに帰属」などという注釈を見かける。帰属、というのは絵画の場合には、誰々が描いた可能性があるが、専門家の間でもはっきりしない、という意味なのだという。 フェルメールの作品は世界に32-37枚しか残っていない。誰もが真作と認める作品は33枚ということらしい。あとはフェルメールに帰属、が数枚という事だろう。 ねこまんまねこ氏はルーブル、メトロポリタン美術館のフェルメール作品は見たし、東京の全てのフェルメール展に行っているし、大阪の2000年のフェルメールとその時代展も行ったので、フェルメール作品を20から22作品は現物で見たと思う。 《聖プラクセディス》が西洋美術館でいつでも観られるようになったのはまさに朗報で、 個人的には、2000年に大阪市立美術館で開催された「フェルメールとその時代展」で観た以来実に24年ぶりの邂逅となる。 イタリアの画家が描いた作品の模写である、この「聖プラクセディス」がフェルメールの作品かどうか専門家の間でも意見が分かれている。 首と胴体が離れた殉教者の血を吸った布をプラクセディスが絞って血を器に集めている。。 フェルメールの世界的権威者であるアーサー・K・ウィーロックは、この絵をフェルメールの真作としてプッシュしており、2000年に大阪で開催された「フェルメールとその時代」展にも、ウィーロックの推しでこの絵がフェルメール作品として出ていた。 ![]() ![]() その根拠になり得るのは、画面右下に記された「サイン」ならびに「字句」のみ、ということになる(ようである)。だが、残念ながら、この「サイン」と「字句」は、他のあらゆる可能性をすべて否定し得るほどの「確実性」を有するものではない、とされている。つまりは、他の可能性が・僅かではあれ・「残り続けて」しまうので、「フェルメールの作品」とも「フェルメール以外の画家の作品」とも断言はできない、ようなのだ、現在の時点では。 ねこまんま氏には真作かどうかは完全には分からないが、フェルメール作品を多く長時間見た者として、初期の作品に通じる(トーンおよび色彩の淡さ)がこの作品にはある。 フェルメールに限らず、ねこまんまねこ氏は何度も何度も世界のあらゆる場所で、あらゆる巨匠の描いた名作と言われる絵画を見続けて来た。そうすると真作が持っているオーラのようなものが分かるようになる。 だから、この聖プラクセディスの持つ雰囲気が本物とほぼ分かるのだ。 また、国立西洋美術館の学芸員や教授の先生たちもこの作品を真作と信じている様だ。何故なら、帰属という云い方で作品を掲出するのは自信の現れだから。 このような真贋のわからない絵画が飾られているのは、我々外野としては、これはフェルメールでしょ、なぜならあの作品とタッチが似ている云々、、コレは贋作だな、何故ならこの色はその時代には出せない云々、、、と言って楽しんでいればいい訳だから、とても素晴らしい事である。 なお、フェルメールが風俗画にシフトしていくのはこの後なので、1855年のこのイタリア画家の作品の模写に於いては、まだ光と影の室内画の美しさは全く生まれていない。 ちなみにこの絵はイギリスのオークションで日本人に11億円で落札されたという。その方が寄蔵したらしい。。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ポール=シニャックの大型作品、サン=トロペ。 ![]() ピカソ。 楽しいなあ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.11 08:49:00
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