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カテゴリ:スマイリーの視点
●便利な仕組みができたものです。
外国為替証拠金取引、いわゆる「FX」のことです。 日本では「Foreign Exchange」の頭文字とって「FX」と呼ばれているそうです。 なんだか怪しい感じがして、しばらく手を出さなかったんですが。 なにしろ、裁定取引は、問題の多かった商品取引と、仕組みは同じですからね。 一流の証券会社やネット証券会社が扱っていることと、「2ちゃんねる」などで、体験記風の書き込みがふつうになされていることをみて、最近、ようやく手を出してみました。 ●私が利用したのは、某ネット証券。 手数料が一回900円と安く、ドルの売り買いの差額も小さかったからです。 取引は証拠金の10倍までです。ドルに関しては、現引きも可です。 勤め人の身ですので、売買のタイミングは限られますが、折からのドル安局面に合わせ、102円でドル売りから入りました。 一時96円までありましたが、原油価格が値下がりに転じたのを見て、99円でひとまず決済しました。 結局、二週間ほどで5万円ほどの儲けになりました。 初陣としては、まあまあかな。 ●銀行のドル預金なんて、金利が低い上に、ドルの売買差額が大きくて、少々の円高ではマイナスにしかなりません。銀行は、よくあんなものを恥ずかしげもなく宣伝するものです。 ●実は私は20年前に、ジニメー債という、サブプライムローン証券のような、ドル建ての不動産担保証券を買ったことがあります。 100万円で買った半年後、例の「プラザ合意」に見舞われました。 急激で猛烈な円高。 3年後に売却した時には、損失は20万円に上っていました。 あの時に現在のFXがあれば、どうだったでしょう。 でも、うまく使いこなせなかったかな、という気もします。 ●ところで、最近、サブプライムローンの巨額の焦げ付きの影響で、金融市場に「信用収縮」が起きている、という報道がなされています。 「信用収縮」というのは、おおざっぱにいえば、焦げ付きを心配した金融業者が「借金を返せ!」と騒ぎ、借金の清算が進んでいる、ということでしょうか。 ヘッジファンドは、手持ちの株や債権を売って、ドル現金を用意しては借金を清算している、というわけです。 もっとも、その過程で大きな損を出して、破綻するファンドが続出しているそうですが。 何しろ暴騰していた原油が下がり始めましたからね。 「信用膨張」で有り余っていたドルが、金融商品から溢れ出して、一次産品市場に流入し、コストプッシュインフレを引き起こしていましたが、サブプライムローンの巨額破綻の影響は、とうとう一次産品市場にも及んできたようです。 その象徴が原油価格の下落です。 ●元財務官で「ミスター円」といわれた、早大教授の榊原英資氏は、テレビなどでしきりに「1ドル80円になる。1ドル90円が普通になる。」と発言しています。 ●今年中にはそういう局面がくるかもしれません。 しかし、目先は、借金清算のためのドル需要が増えるので、現在の99円~100円がしばらく続く様な気がします。 私は、しばらくFXは休んで、様子を見ようと思っています。 さや取り狙いの裁定取引ですから、為替が動かないときは、売買してもしかたありませんからね。 ●それと、私は海外の株や債券に投資するファンドを少しだけ持っていますが、特に債券ファンドは価格変動が少ない分、為替の影響に弱いので、FXのようなものでヘッジする必要を感じています。 今回の売買もヘッジが目的でした。 梃の原理のおかげで、少ない証拠金でヘッジ機能が果たせますので、そういう意味ではFXはありがたいサービスです。 ●FXは、ヘッジ目的がないと、たんなるギャンブルになります。 丁半博打となんらかわりません。 FXは、ヘッジ目的に限定して使うものだと、私は思います。 でないと、梃の原理が「悪魔の原理」に変貌して、大やけどをしそうです。(以上) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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