カテゴリ:バングラデシュ
「地球の歩き方 バングラデシュ編」出版記念?として,チッタゴン郊外にあるバティアリの船舶解体場を再々UPする。画像大幅増のリニューアル版だ。未公開の画像がいっぱいなので,多いがじっくりと見てほしい!!
世界には多くの大型船舶やフェリーがあるが、老朽化した船体は,どこの国で多く解体しているかをご存じか?昔は日本などでもたくさん解体されていたが,じつは現在ではそのほとんどをインドやバングラデシュで解体しているのである。今の日本でも工場があるが,こちらとは全く違うシステムだ。解体場には,世界中から引退した大型の船舶が運ばれてくる。この船舶解体場の問題は,私が行った'04年当時と,あまり変わっていないようだ。 チッタゴンから,車で何十分か走るとバティアリの町に入る。大型船舶のエンジンや部品が多く並べて売られている。海岸に向けて狭い通りを入っていくと, 向こうに大型船舶が見えるが,前には鋭い眼光の人々が… にわかに怪しい雰囲気になる。 何社かの解体場が並んでいる場所がある。その前の通りには,小さな食堂などが並んでいる。しかし,雰囲気はかなり悪い。「あまり関わらない方がいい。治安が悪いので気をつけて!」とガイド役のバングラ人は言う。 本来,一般人は解体場の中には絶対に入らせてもらえない。立ち入り一切禁止だ。さらに,ジャーナリストやマスコミ関係は極端に敬遠されるらしい。ガイドが言う「カメラを隠せ!」。そして,固く閉まった門の前で交渉をしている。「アカンかな…」 しばらくして,「OKだ!」門が開き,中に入る。事務所の兄ちゃんが案内役になった。事務所の建物を過ぎ,死角になったところで,「カメラは,どこでもOK。でも,事務所から見えるところではNGだ!」と言う。 大型船舶の残骸が,あちこちにある。 大きな船体が,こんなになるのだ。よく,あんな巨大な船舶を大きな重機もなくバラしていけるなと思う。 その事務所の兄ちゃんがガイド役でついてきた。この兄ちゃん本人の「撮影はOK」ということだった。喜んで写っていた。でも,やはり「事務所から見えないように!」と言う。 人が小さく見える。 しかし… 切り分けた鋼板。 ここは,船のどの部分やろ? 引き潮で干潟状態の浜にバラバラの船体が。 流れないように,ワイヤが掛けてある。 こんな大きなフェリーが解体されていく。労働条件は劣悪で,危険極まりない。十分に抜かれていない燃料の海洋流出。さらに,バーナーを使っての解体で引火の恐れがある。また,多数の有害物質、アスベストなど多くの問題があるのだ。 これは,もはやどこかわからない。 部品は,それぞれに分けて売られるのだ。 あちこちを歩く。 バーナーの火が見える。 香港の潜水艇「ASIAN TIGER」。 この管は,どこの部分やろ? このガスボンベは何??? 長靴の人もいるが,ほとんどがサンダル。または,裸足のままだ!! 人々は,陽気にポーズを取ってくる。 ガスバーナーで,管を切る。 バラしたパーツが,バラバラに散乱している。バーナーで焼き切っている。焼くところをわざわざ見せてくれたりもした。さらに,この周辺を軽装で歩き回っているのだ。給料も決して高くない。年間何百人も亡くなっているらしい。それでも黙々と働く人々である。 喜んで写る。暗い雰囲気はない。 バラした綱板を,みんなで運ぶ。肩に乗せて歌を歌いながら運んでいる。かなり重そうだが,大勢で歌いながら運び,重さを感じないようにしているようだ。こうやってバラしたパーツやエンジンなどを表通りの多くの中古パーツ屋で売っている。ダッカにも運んで売っているそうだが,ここで買う方が安い。リサイクルとしては,かなり効率がいいらしいのだ… 解体場は,いくつもの会社がある。 干満差を利用して,この大型のウィンチを使って,船舶を引き上げるのだ。 きちんとした作業服もなく,はだしで歩き回っている人さえいる。考えられないことだ!ささくれ立った金属の鉄板やパイプ,破片などが多数散らばっているのだ。ケガはしないのか!? 最後に,ボーイのガイドが「チップ!」と言った。案内してくれた兄ちゃんにやれと言うことだ。一種の賄賂だ。本来は立ち入り一切厳禁の上に,撮影まで密かに認めてくれたのだ。これは仕方ない。 いくらかは忘れたが,日本の価値で言えば少額である。貴重なものを見せてもらった。しかし,これでいいのか?と考えてしまう光景だった… ↓ はげみになります。 本当によいと思われた方,クリックをお願いします!! ↓2つのブログランキングに参加しています。クリックするだけでOKです。よろしくです。ぜひぜひお願いします! 人気blogランキングへ にほんブログ村>アジア旅行と海外旅行にエントリーしています。 ※ 画面が完全に出るまでに戻ると,カウントされないことがあります。 クリックで,本サイトへ! 本サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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船の解体 初めて見ました
ありがとうございます~ すごいの 一言です。 あっ 今回シンガポールでは造船所 遠くから見てきました~ 溶接の火花が ばちばち・・・。 (2010/10/26 08:56:14 AM)
こんばんはです~
これはなかなかお目にかかれない写真ですね。一般の人はまず立入はできないでしょうね。ワイロさえ出せばなんとかなるところがかえって怖いですね。 (2010/10/26 06:00:04 PM)
仲間と体を使う仕事は楽しいです。
危険が伴うならスリルが加味されて、 尚更かもしれません。 男って… どこの国でも愚かな生き物なのかも(^_^; (2010/10/26 07:14:14 PM)
とても貴重な写真ですね!
それにとても貴重な人たちですね。 こういう方々がいてくれなかったら、この船の行き先はどうなったことでしょう? 巨大なごみ? (2010/10/27 12:07:58 PM)
うめきんさんだからこそ撮れた写真ですね。
現場の生々しい情景が包み隠さず伝わってきます。 安全対策など皆無に等しいですね…。 クリック完了です!! (^^) (2010/10/27 12:31:52 PM)
以前も、うめきんさんのブログで船の解体の写真は見せていただきましたが、これだけ大がかりなのに機械がほとんど無いという状況はバングラスタンダードの何ものでもないと思います。
以前から、気になっていたのが、これだけの鋼材を処理していながら、バングラ国内では建築用の巨大鉄骨材をほとんど見かけません。 溶鉱炉はあっても延鋼板工場は無いのでしょうかね。温室の設計を頼まれているので気なっていました。 (2010/10/28 08:25:03 PM)
>豊年満作さん
まあ,これだけの立ち入り厳禁の場所を見せてもらった上に撮影できたので,今回のチップは納得です。 まさに危険極まりないところです!! (2010/10/30 12:08:20 AM)
>ヨンミョン1029さん
ガイド役のボーイは,実績を作るのに必死だから,かなりプッシュしてくれました。賄賂を出しても,見せてくれない場所かも?と思ったところです。 (2010/10/30 12:10:53 AM)
>supporterさん
はじめまして!!コメント,ありがとうございます! 確かに,解体業者がいなかったら,たいへんなことになりますね。しかし,仕事は命がけでやっています。 また,よろしくお願いします!! (2010/10/30 12:15:04 AM)
>閑 甚太朗さん
はい,以前も2回少しUPしています。 重機など,何もありません… この鋼材は,本当にどこへ行くのでしょうね?? 東南アジアや南アジアでは,鉄骨を使われているのは,めったに見たことないです。 (2010/10/30 12:20:11 AM)
こんにちは
日本の工事現場から比べると、見てるだけで背筋が寒くなってきます。いつ事故で死んでもおかしくない、過酷な労働条件だって事が簡単に分かります。当然、その上には搾取してる輩が居るんでしょうね。何んとかして、この条件を一日でも早く改善してもらいたいものです (2011/02/27 04:38:42 PM)
>植草政さん
はじめまして。コメント,ありがとうございます! 本当に信じられない光景です!! この問題は,あちこちで取り上げられているようですが,ほとんど改善されていないようです… ただ,世界の中で,このことを知っている人は,ほとんどいないと思います。実際に見たことがある人になると,もっと少なくなるでしょう。 なんとかならないものかと思っていますが… (2011/02/27 11:19:31 PM)
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