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テーマ:日々自然観察(9870)
カテゴリ:昆虫(ハチ)
金属光沢があり、胸部に荒い凹凸が無数にあること、腹部の節が少なく、触角は13節前後であること等は、セイボウ的だが、前胸背版は異常に短いし、後胸背版は見えない。触角は一見頭頂近くに付いている様に見えるが、写真を拡大して見てみるとその基部は口器近くにある様にも見える(セイボウの触角は口器近くに付いている)。結局、良く分からない。
体長は4mm弱、翅端まで約4.5mm。この程度の大きさのハチで何科に属すのか分からないハチは実に沢山いる。等倍程度の写真で検索をするのは無理で、捕まえて実体顕微鏡で細部を観察しないと科すら分からない。
しかし、種類は分からずとも、中々綺麗なハチである。表情?にも愛嬌がある。私好みのハチ?と言える。
拡大してみれば明らかにハチだが、目の前のクリスマスローズの葉に止まったときはハエの1種だと思った。飛び方が少しハエ的だったのである。
4~5mm以下のハエで種類の分からないのも、これまたゴマンと居る。「ハエの1種」、或いは、「ハチの1種」で済ませれば、当分ネタ切れに陥ることはないが、余り無責任なことを続ける訳にも行かない。困ったものだ。 追記:ハチの研究をされている覇蟆邇(はまに)人氏より、このハチはほぼ間違いなく、マルハラコバチ科(Perilampidae)の一種であるとの貴重な御意見を賜った。これに従い、Perilampus(マルハラコバチ属)で検索すると、写真にそっくりなハチが出て来た。北隆館の「新訂 原色昆虫圖鑑第3巻」を見ると、この科やそこに属すハチは索引には出ていないが、検索表には載っており、この科に属すハチは日本ではルリマルハラコバチ(Perilampus japonicus)ただ1種とのこと。また、九大の「日本産昆虫目録データベース」にも1種類しか登録されていないので、このハチはルリマルハラコバチではないかと考えられる。なお、検索表にある科の記載と写真のハチの特徴は一致することを確認した。 氏に拠れば、この仲間の少なくとも一部は、ガやハバチ等の食植性昆虫の幼虫ないし前蛹への直接寄生だけでなく、自分が取り付いた食植性昆虫幼虫に寄生した“寄生蜂もしくは寄生蝿の幼虫”に寄生することがあり、氏はハムシドロバチの巣に労働寄生するハムシドロバチヤドリバエの囲蛹中からマルハラコバチの一種が少数羽化してきたのを確認されているとのこと。詳しくは、氏のコメントを参照され度。 しかしながら、コバチ類であると気が付かなかったのは、我ながら不覚であった(2008/07/10)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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