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テーマ:日々自然観察(9917)
カテゴリ:昆虫(芋虫、毛虫)
終齢幼虫で体長は3cm程度。腹部の第7~8節辺りで体高が一番高く、前方に行くにつれて段々低くなる。しかし、背面から見ると体の幅は殆ど一定である(下)。
鱗翅目(蝶、蛾)の幼虫の多くは、第3~6腹節に1対ずつ、全部で4対の腹脚を持つ(尾脚を除く)。しかし、ヤガ科の中にはこのキンウワバ亜科やコヤガ科、アオイガ科(例えばフタトガリコヤガ)の幼虫の様に、第3~4腹節の腹脚が退化して2対しか持たない連中も居る。 この様な脚を持っているので、歩き方は尺取虫的になる。なお、尺取虫(シャクガ科)の場合は、更に第5腹節の腹脚も退化して、腹脚は第6腹節の1対だけである(例えば、ヨモギエダシャクの幼虫)。
頭は、腹部後半の太さに比してかなり小さい。尺取虫的な体勢に加えて、胸脚を放してこの小さな頭をかなり忙しく振り回すことがあり、その様な場合には、何かヒラタアブ類の幼虫を思わせる様な動きになる。
下は別個体で、蛹化間近である。最初の個体は蛹化するまであと数日を要したが、それに較べ随分と太っている。 このエゾギクキンウワバの幼虫は、専ら花序の中にある小さな葉(1種の苞?)か舌状花の花弁を食べ、下位にある大きな葉は食べない様である。食べているのを見たことがないし、また、食痕も見当たらない。
この幼虫の種類を調べるのに、先ず北隆館の古い幼虫圖鑑を参照した。これにはミツモンキンウワバの幼虫が載っていて、これが写真の幼虫に良く似ているのだが、「頭部の側面に黒線が走る」と書かれている。御覧の様に、このエゾギクキンウワバの終齢幼虫にはその様な黒線はない。全くの無紋でコントラストに乏しい。
普通、幼虫が休んでいるときは頭を下向きにすることが多いので、中々顔が見えない。しかし、この幼虫は顎を上げた様な格好で休憩する。顔の写真は非常に撮り易い。こう云うのも一寸珍しいと思う。
「シオンの1種」には合計3頭の幼虫が居た。実は、残念ながら此処に示した写真(下から3番目を除く)の個体は繭を作った後、蛹化せずに死亡してしまった。寄生されていたのではなく、何らかの病気で死んだ様である。エゾギクキンウワバと同定したのは、此処に示していない別の個体である。だから、この幼虫がエゾギクキンウワバであるという確証はないのだが、同じ場所に同じ齢の近縁種の芋虫が居る可能性は極めて低いと思うし、学術論文ではないのだから、まァ、エゾギクキンウワバの幼虫としておく。 エゾギクキンウワバの幼虫は、葉の間に極く薄い繭を作ってその中で蛹化する。写真の枚数が多くなるので、蛹や成虫についてはまた次の機会に譲ることにしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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本当に、時間ばかり過ぎてゆき、今年も数えられるくらいしか残っていない時期になってしまいました...
うちでも同じような幼虫を見かけます! もちろん似ているだけでは決められないですよね。 キンウワバの仲間だろう、というくらいかな(^^; (2009.11.23 12:27:33)
キクギンウワバは、ハンドブックにありました。
エゾギクキンウワバは、近い種類の蛾でしょうか。 エゾのキクギンウワバといことかなと思いました。 ギンとキンと 濁音になっているところも気になります^^ 尺取虫のアシの位置が このようになっていることがわかり なぞが解けた嬉しい気持ちでした。 多食性とありましたが 食物の種類が多いということでしょうか?たくさん食べる性質ではないと思うのですが 成虫のお写真も楽しみ~☆です。 (2009.11.23 18:18:04)
marinesnow2525さん
>本当に、時間ばかり過ぎてゆき、今年も数えられるくらいしか残っていない時期になってしまいました... ----- 今年は色々あってあっと言う間に暮れに突入です。 >うちでも同じような幼虫を見かけます! >もちろん似ているだけでは決められないですよね。 >キンウワバの仲間だろう、というくらいかな(^^; ----- 腹脚が2対で、緑色の体に縦筋があり、前方に向けて細くなるのがこの連中の特徴の様です。 (2009.11.23 20:58:04)
るる555さん
>キクギンウワバは、ハンドブックにありました。 >エゾギクキンウワバは、近い種類の蛾でしょうか。 >エゾのキクギンウワバといことかなと思いました。 ----- 名前は似ていますが別属です。成虫の外見もかなり違います。体形は同じですが・・・。 >ギンとキンと 濁音になっているところも気になります^^ ----- 金属光沢を発する部分が金色か銀色かで名前が違うのではないでしょうか。 >尺取虫のアシの位置が このようになっていることがわかり なぞが解けた嬉しい気持ちでした。 ----- 尺取虫は腹脚は1対ですからかなり特殊です。 >多食性とありましたが 食物の種類が多いということでしょうか?たくさん食べる性質ではないと思うのですが 成虫のお写真も楽しみ~☆です。 ----- 多食性と云う言葉は聞いたことがありません。色々な食草を食べる場合は広食性と呼ぶ筈です。食物スペクトルが広い、とも言います。 (2009.11.23 21:04:11)
薄緑色の体色で金色に光ってみえるのですね
中味はどんな色が詰まっているのだろう・・ いきなりすみません 以前キアゲハのイモムシがハチにやられたとき どろっと綺麗な緑の液体がでてきました エゾギクは鉢ごと飼育箱に入れてるのですか? (2009.11.25 11:12:32)
ukon6624さん
>薄緑色の体色で金色に光ってみえるのですね ----- 因みに、キンウワバの「キン」は、成虫の翅の一部に金属光沢を持つ斑紋があるからで、○○ギンウワバと云うのもあります。 >中味はどんな色が詰まっているのだろう・・ >いきなりすみません >以前キアゲハのイモムシがハチにやられたとき >どろっと綺麗な緑の液体がでてきました ----- 多分緑色と思いますが、消化管内にある消化中の食物も緑色ですから、区別が付き難いと思います。体液自体(血リンパ)は殆ど透明でしょう。 >エゾギクは鉢ごと飼育箱に入れてるのですか? ----- 花はシオンの1種です。花穂を切って背の低い口の細い一輪挿しに挿しています。昔から、飼育用にこの様な花瓶を探しているので沢山持っています。 (2009.11.25 11:32:23)
これはまた…(;^^A
私なら速攻で「水入りコップ」に専用箸でぽい!してしまいそうですが、、 アーチャーンさんは成虫になるまで飼育されてるんでしょうか? しかしこの頭部にまである「毛」 リンク先の「フタトガリコヤガ」ほどでないにしろ 何かの役に立ってるのでしょうか。 腹脚の数が減ってゆくにはそこにも何かが、なのでしょうね。 そういうのを思うとほんまに不思議ですv (2009.11.25 12:04:25)
snowrun29さん
>これはまた…(;^^A >私なら速攻で「水入りコップ」に専用箸でぽい!してしまいそうですが、、 >アーチャーンさんは成虫になるまで飼育されてるんでしょうか? ----- この手は飼育しないと種類が分かりません。 >しかしこの頭部にまである「毛」 >リンク先の「フタトガリコヤガ」ほどでないにしろ >何かの役に立ってるのでしょうか。 ----- 進む方向ですから、何らかの感覚受容をしているのでしょう。 >腹脚の数が減ってゆくにはそこにも何かが、なのでしょうね。 >そういうのを思うとほんまに不思議ですv ----- 4+1対の脚を少しずつずらして移動するより、尺取虫式にした方が制御が簡単かも知れません。 (2009.11.25 13:54:32)
そういえば今年は見かけませんでした。去年撮影のフォルダにはけっこう入っていたんですが。
食草となる可能性のあるセイタカアワダチソウはたくさん生えているのに、なにか条件が悪かったのでしょうか。 ちなみに今年は、イチジクキンウワバ、ウリキンウワバ、キクキンウワバの三種をよく見かけました。 特にイチジクキンウワバは、去年エゾギクキンウワバをよく見かけたところにいました。同じ食草を食べていたのかどうかまではわかりませんでしたが。 (2009.11.25 18:41:55)
TOMさん
>そういえば今年は見かけませんでした。去年撮影のフォルダにはけっこう入っていたんですが。 >食草となる可能性のあるセイタカアワダチソウはたくさん生えているのに、なにか条件が悪かったのでしょうか。 >ちなみに今年は、イチジクキンウワバ、ウリキンウワバ、キクキンウワバの三種をよく見かけました。 ----- 色々沢山居て羨ましい。 >特にイチジクキンウワバは、去年エゾギクキンウワバをよく見かけたところにいました。同じ食草を食べていたのかどうかまではわかりませんでしたが。 ----- キク科植物を食草にするキンウワバはかなり種類がある様です。羽化させないと、種類が分からない。 (2009.11.26 06:58:36) |