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カテゴリ:昆虫(甲虫)
4月の中旬に撮ったイタドリハムシ(Gallerucida bifasciata)である。ハムシ科(Chrysomelidae)ヒゲナガハムシ亜科(Galerucinae)に属す。属名はGallerucidaで「l」が2文字だが、亜科名はGalerucinaeで1文字。何処でどうなったのかは知らないが、屹度、何か曰くがあるのだろう。 ヒゲナガハムシ亜科はかなり大きな亜科で、日本産は約100種。我が家はハムシ科の虫が少ない(今日のイタドリハムシで漸く10種)のだが、この亜科のハムシはこれまでにウリハムシ、クロウリハムシ、ウリハムシモドキ、ヨツボシハムシを紹介している。今回で合計5種となり、我が家のハムシ科昆虫の1/2を占めることになる。
写真で示した個体の体長は約7.5mm、横幅もあるので、かなり大きなハムシと云う印象を与える。実際、ハムシ科の中では大型の方に属し、保育社の甲虫図鑑を観ると7.5~9.5mmとあるから、この個体はイタドリハムシとしては小さめと言える。 因みに、最大級のハムシとしてはオオルリハムシが有名で、同図鑑に拠れば11~15mmとある。
図鑑を見ると、触角が長く体全体が丸味を帯びて色は赤(橙)と黒、と云うハムシにはかなりの種類がある。しかし、こんなに大きくなるハムシはイタドリハムシだけらしい。 鞘翅以外は総て真っ黒だが、翅の模様には変化が多いとのこと。しかし、翅端近くにある錨の様な形をした黒紋には変化が少ない様である(3つに分離することはある)。
他の特徴としては、前胸背に2個1対の凹みがある。写真からは分かり難いが、2番目の写真の前胸背左側(写真では上側)に微かに丸い凹みが認められる。種名のbifasciataは<2つ凹み>ではなく<2つの帯>の意だが、fasciaには他の意味もあるので、このハムシの構造と如何なる関係にあるのかは良く分からない。 図鑑には、「中・後脛節末端には顕著な1小突起を有する」と書いてある。しかし、今日の写真では何れも焦点を外れており、よく確認出来ない。
このイタドリハムシ、我が家ではクリスマスローズの葉に留まっていた。言う迄もないことだが、クリスマスローズが食草なのではない。食草は、名前にある通り、イタドリやスイバ等のタデ科植物とのこと。クリスマスローズは我が家に数10株生えているが、キンポウゲ科の毒草のせいか、この葉を食べる虫を見たことは一度もない(明確な食痕も見たことがない)。
前回以来、ほぼ2ヶ月ぶりの更新になってしまった。この次は何時になるか分からないが、気分転換に、時々は更新するつもりで居る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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お元気でおられましたか、良かったですv
そろそろ南の方にお出かけ?とも思っていましたが ではまたアップを楽しみにさせて頂きます。 ご無理のないとこで宜しくです。 イタドリハムシ、 >ハムシとしては比較的凶暴さを感じさせない えっそうなんですか? 個人的には正面顔に一瞬「こっ怖~」と思ったのですが、、 他のウリハムシなどは割に暢気そうな人の良さそうな?顔つきに思えましたが^^; ま、それはともかく?この模様にはびっくり! 私のアップした「ヨツボシモンシデムシ」の模様に似てます。 (ご指摘ありがとうございました、直しておきました) 種もサイズも違いますが、こうした模様ってよくあるもの?? (2011.05.05 22:24:14)
snowrun29さん
>お元気でおられましたか、良かったですv >そろそろ南の方にお出かけ?とも思っていましたが >ではまたアップを楽しみにさせて頂きます。 >ご無理のないとこで宜しくです。 ----- 御心配痛み入ります。南方への出撃は暫くはありませんが、更新頻度は相当低下するものと思われます。 >イタドリハムシ、 >>ハムシとしては比較的凶暴さを感じさせない >えっそうなんですか? >個人的には正面顔に一瞬「こっ怖~」と思ったのですが、、 >他のウリハムシなどは割に暢気そうな人の良さそうな?顔つきに思えましたが^^; ----- 確かにウリハムシは比較的穏やかな顔をしていますね。まァ、主観の問題なので・・・。 >ま、それはともかく?この模様にはびっくり! >私のアップした「ヨツボシモンシデムシ」の模様に似てます。 >(ご指摘ありがとうございました、直しておきました) >種もサイズも違いますが、こうした模様ってよくあるもの?? ----- 赤(橙)と黒の入組んだ模様と云うのは、色々な分類群にあります。コミムシダマシ科にもソックリなのが居ます(ホネゴミムシダマシ:Web上には写真見当たらず)。 (2011.05.06 08:59:31)
小さいけれど触角や体色が美しいと思いました。北海道でも発見できる昆虫とありましたがまだ 観たことがありません。
イタドリの葉を これからは、注意して観察してみますね。 橙色と黒色のハムシ 発見したいです。 (2011.05.07 17:48:06)
るる555さん
>小さいけれど触角や体色が美しいと思いました。北海道でも発見できる昆虫とありましたがまだ 観たことがありません。 >イタドリの葉を これからは、注意して観察してみますね。 >橙色と黒色のハムシ 発見したいです。 ----- オオイタドリは北海道の鉄道沿いにスザマジイ数が生えています。その辺りに居るのでは??また、エゾギシギシもそこいら中に生えています。 なお、イタドリハムシはハムシの中では大きい方です。 (2011.05.07 22:41:25)
2ヶ月ぶりの更新でいたしたんですね! これからはネタもたくさん出現する季節とは思いますが、「新たな事象の出来」が心配です~。
ただ、毎日2つも3つも記事を更新されるブログと違って、アーチャーンさんのところはゆっくり「鑑賞」できるので、慌ただしい毎日のわたしには有り難いかも~(笑) イタドリハムシ。ギザギザの触角、いかにもおっかない風貌です。アーチャーンさんのところに伺うたびに、自分があまりにも昆虫をしらない事実! 新しい知識に出会い、嬉しくなります^^なかなか覚えられませんが。 いつもありがとうございます。 (2011.05.09 21:55:34)
lemidoriさん
>2ヶ月ぶりの更新でいたしたんですね! これからはネタもたくさん出現する季節とは思いますが、「新たな事象の出来」が心配です~。 ----- 残念ながら、今後、余り更新する余裕は無い様です。 >ただ、毎日2つも3つも記事を更新されるブログと違って、アーチャーンさんのところはゆっくり「鑑賞」できるので、慌ただしい毎日のわたしには有り難いかも~(笑) ----- 最近は結構知られたブログになっているらしく、色々なサイトで引用され、無責任なことは書けない状態なので、下調べや記憶の確認に時間がかかります。 >イタドリハムシ。ギザギザの触角、いかにもおっかない風貌です。アーチャーンさんのところに伺うたびに、自分があまりにも昆虫をしらない事実! 新しい知識に出会い、嬉しくなります^^なかなか覚えられませんが。 ----- 意外な存在を知ると云うことは、大事なことだと思います。人間、つい知っていると思っているのが、様々な判断を誤らせる元凶です。何に関しても「知っているつもりにならない」、と云うことが最も大切だと思っています。 (2011.05.10 21:11:20) |