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2009.11.08
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カテゴリ:書籍・雑誌
 磐音はまだよろめき立つ痩身の浪人の体を楯に一撃目を避けた。
 どさり
 と痩身の浪人が倒れた。すると仲間が二の手を磐音に送り込んできた。
 その胴斬りを木刀で合わせると、相手の剣は物打ちから折れて飛んだ。
 あっ!
 と叫ぶ相手の肩口に木刀が、
 びしり
 と決まり、二人目が倒れた。
  (佐伯泰英著 「居眠り磐音 江戸双紙 捨雛ノ川」より)

 “どさり”だの“あっ!”だのと、まるで小学生が作文の行数稼ぎで使うような表記を多用することでお馴染みの、佐伯泰英さんの大人気シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」。
 夏頃からコツコツと読み進め、ようやく20冊目となる「野分ノ灘」に差し掛かったところだ。とはいっても今年7月に発行された「侘助ノ白」まであと10冊もある。まだ全体の2/3しか読んでいないのかぁ~ほえー

 最初の頃は、長屋暮らしの一介の浪人(実は豊後関前藩家老の嫡男)である主人公・坂崎磐音が江戸の人々と触れ合いながら様々な事件を解決する、実に微笑ましい話であった。やったら剣が強く、人付き合いも良好で男からも女からも誰からも好かれる鷹揚な主人公はどうも好きになれないが、それでも周りの人達が魅力的な分、楽しく読めた。
 一介の浪人でありながら、江戸600軒の両替商を束ねる、江戸で一、二を争う両替商「今津屋」の後見になったり、南町奉行所になぜかいつも助っ人を頼まれたり、若狭小浜藩の蘭医や将軍家の御典医とも親しいのはまだいいとして…。
 関前藩主・福坂実高からは未だ厚い信頼を寄せられ、小浜藩主や南町奉行、徳川10代将軍・徳川家治の嫡男である家基、更には家治からも一目置かれ、気がつけば江戸の剣術界に名を轟かせている佐々木玲圓道場の跡をすんなり継ぐとは。ありえないっしょ。出来過ぎっしょ。
 彼の元許婚・小林奈緒は異例のスピードで吉原の太夫に上り詰め、後に夫婦となるおこんは“今小町”と評判の美人で、いつぞやは因幡鳥取藩の織田桜子にも惚れられたっけ。
 と、悪役を除く登場する全ての人物が磐音に一目置き、彼にエラく好意的なのである。ありえないっしょ。何か鼻に付くっしょぷー
 
 でもまあ、これは磐音に限ったことではなく、物語の主人公とは大概そういうものなのである。70年代、女の子達の間で絶大な人気を誇った「キャンディ・キャンディ」だって、登場する男の子は全て大金持ちで、尚且つ全員が主人公のキャンディに惚れていたっけ。

 そんなにイヤなら読まなきゃいいじゃん!と自分でも思うのだが、ここまで読むともう今更止めるわけにもいかなくて(^^ゞ
 主人公はどうでもいいが、磐音の用心棒仲間で貧乏御家人の次男坊・品川柳次郎や同じく用心棒仲間の竹村武左衛門、今津屋の老分・由蔵や南町奉行所の年番方与力・笹塚孫一などは気になるし…。何だかんだ言っても結局「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズが結構好きだったりしてスマイル

 バイト先の古本屋さんでは夏まではこのシリーズが不足していたが、秋頃から在庫が増え始めた。そろそろ皆さん、飽きられたのかしらん?
 まだ途中までしか読んでいないが、主人公の弱い部分や嫌な部分もちょいとは見せないと、何だか完璧すぎて逆にイヤな奴に思えてきますぜ。
あ、そんなひねくれた見方をするのは私ぐらいか…ほえー





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Last updated  2009.11.09 09:13:26
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