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2014.01.25
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カテゴリ:歴史関連・時代劇
戦国時代の終りを告げる「関ヶ原の合戦」から四百余年。
 裏切りが常の戦国の世に、盟友・石田三成との堅い友情に殉じた敦賀城主・大谷刑部少輔吉継
 豊臣秀吉の小姓から着々と実績を重ね、秀吉政権の下で重用される。天正17年(1589)には敦賀城主となり、12年間、才覚を発揮し、軍事・物流の最重要拠点であった敦賀城下の整備拡充を図った。
 慶長5年(1600)天下分け目の関ヶ原で、吉継は勝ち目のない戦と知りつつ西軍三成側について善戦するが、味方の裏切りが続き、大谷軍は全滅。吉継は自害し、ここに生涯を終えた。
 大谷吉継は不治の病に冒されながらも「忠義と友情」に殉じた戦国の「智将」であったと伝えられている。 (敦賀観光協会発行のパンフレットより)

 歴史好きの女性達から圧倒的な人気を誇る大谷吉継。そんな彼の紹介文には不治の病、忠義、友情、智将-と、恋する乙女達の胸がキュンキュンするワードがてんこもりだ。
 400年以上前の戦国武将など実際にはむさくるしいオッサンだったに違いないのだが、何となく抱いている彼のイメージといえば、病のために顔を白い布で覆いつつも目元涼やかな美青年で、智勇ともに優れ、部下を大切にし、三成との友情のために病身を投げ打って戦った義の人という、まさに非の打ち所がない武将という感じである。出自ですらはっきり分かっていない人なのにね。

 そんな吉継といえば、関ヶ原関係の小説にはそのほとんどに登場する。西軍主力メンバーだったので当然ではあるが。
 しかし吉継が主人公の小説となると数はめっきり減ってしまう。そりゃ生年や父親が誰かすらはっきりと分からない人だし、関ヶ原の戦い以外で特に目立った功績があるでなし…。Wikiさんの吉継のページを書かれた方の情熱はスゴいと思う(^^;
 とはいえ、よく分からないながらも不明な部分は想像等で補って書き上げられた吉継物語はいくつか存在する。例えば我家の本棚に並んでいる本だけでもこれくらい。

 ・「名将 大谷刑部南原幹雄 (新潮文庫)
 ・「小説 大谷吉継菅 靖匡 (学研M文庫)
 ・「大谷吉継山元泰生 (学陽書房*人物文庫)
 ・「大谷吉継石川能弘 (幻冬舎文庫)
 ・「大谷吉継野村敏雄 (PHP文庫)
 ・「大谷吉継と石田三成工藤章興 (PHP文庫)
 ・「大谷刑部戦記竹中 亮 (学研*歴史群像新書) 全5巻 

 ・「戦国武将列伝2 秀吉縄田一男編 (徳間文庫)
  (“大谷刑部” 吉川英治 収録)

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 南原さんから工藤さんまでの6作品は、吉継が平馬だの紀之介だのと名乗っていた青年時代から晩年までを描いている。
 その中で幼名を平馬(へいま)としているのが南原さん、山元さん、野村さんで、紀之介(きのすけ)としているのは石川さんと工藤さん。菅さんは同じ紀之介でも(のりのすけ)となっている。本人の名前ですらバラバラなのであるから、正室や側室、兄弟等の縁者に至ってはもうね…。まぁ仕方がないわな、元々よく分かってない人だし。
 吉川英治さんの短編は、三成に挙兵を持ちかけられたあたりから最期までを記した物語であるが、この中に登場する吉継の乳母の娘は彼を平馬様と呼んでいる。

 竹中さんの作品は歴史シミュレーション小説もしくは架空戦記というもので、もし吉継が病を克服し、三成に代わって西軍の采配を振るっていたら…というもの。吉継の智謀が炸裂し、おまけに誰からも愛される人望も加わり、吉継ファンにとっては実に嬉しくて面白い作品になっている。

 これら以外では、佐藤太治さんの「死闘関ヶ原 大谷吉継伝」という作品がある。以前バイト先の古本屋にあったのだが、買おうかどうしようか迷っているうちにお客様に先を越されてしまった。Amazon.で中古本が1円で出品されているものの、吉継本はどれも似たり寄ったりの内容なので(そりゃ同じ人について書かれているのだから当たり前)結局買わずじまいでいる。

 あと、小説ではなく漫画でみなもと太郎さんの「風雲戦国伝」(PHPコミックス)に“大谷吉継の謎”(1-8)という作品がある。史実に基づいて忠実に描かれており、しかも絵柄が可愛いので是非ともオススメ♪

 えんぴつ 追記(2017.09.14)

 神坂次郎さん著「戦国を駆ける」(中公文庫)の「われ友誼に殉ず――大谷刑部の場合」という短編も追加したい。吉川さん同様、三成に挙兵を持ちかけられたあたりから最期までを記した物語で、余談として吉継自刃の介錯をした湯浅五助を討った東軍の侍大将・藤堂仁右衛門が、家康に吉継の首について尋ねられた際の話が載っている。

 えんぴつ 追記(2018.11.14)

 富樫倫太郎さん著「白頭の人 ――大谷刑部吉継の生涯」(中公文庫)という吉継小説が2018年8月に出版された。この本での呼び名は平馬。青年時代から最期まで、吉継が丹念に描かれていてよかった。吉継に関して一般的に知られているエピソードが余すことなく出てくるので、とても読みやすかった。





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Last updated  2018.11.13 23:12:32
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