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上生的幻想

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2007/04/15
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カテゴリ:展覧会など
丸紅コレクション
   絵画と衣裳   美の名品展  
      ~ボッティチェリ 「美しきシモネッタ」・淀君の辻が花小袖~  
     京都文化博物館 07/4/13~07/5/27 

  
 05  御簾に梅文様小袖      江戸時代 17世紀後期
       白綸子地、型鹿の子、刺繍

 15  曳舟文様小袖        江戸時代 18世紀前期
       納戸紋縮緬地、白上り、描絵、刺繍
       とても大胆な意匠。
 
 16  源氏物語に海辺文様小袖   江戸時代 18世紀前期
       染分縮緬地、友禅染、絞り染、刺繍、描絵
       裾の波の藍が美しい。その海に紅の葦もいい。
       上半部、扇面・雪輪に絞り抜き、『源氏物語』の一場面が墨で描かれているが、その線が繊細でとてもいい。
 
 32  松竹梅鶴亀文様振袖     江戸時代 19世紀前期
       紅綸子地、総鹿の子
       単純だが、ものすごく大胆な意匠。全体を五段にわけ、上から、松、鶴、竹、亀、梅。今回の衣裳の中では一番のお気に入りのひとつ。
  
 46  御殿に四季草花文様帷子   江戸時代 19世紀前期
       白麻地、茶屋染、刺繍
       なんとも涼しげな帷子。刺繍までしてあったとは・・・。
       
 49  柳梅御簾文様単衣      江戸時代 19世紀前期
       納戸絹縮地、白上り、色挿し、刺繍
       この単衣もなんともよかった。
  
 76  檜葉に団扇立浪文小袖裂   桃山時代 16世紀後期
       白練貫地、辻が花
       辻が花の裂。時代がでてるせいもあるのだろうが、風合いがとてもいい。団扇の紫色がとくによかった。
 
 80  群雀文様袱紗        江戸時代 19世紀前期
       納戸繻子地、刺繍
       かわいいと言うより、わりと目つきの悪そうな36羽の雀の文様。というか、昔の文様の生き物は今どきの妙に少女趣味っぽくなくていい。
 
 87  春景海浜風景図友禅染掛け軸 江戸時代 19世紀前期 
       平絹地、友禅染
       絵の部分はもちろん、風帯、一文字、中廻しの表装部分も染め。遠くから見ると織りのように見える。本画部分をはじめ、この精巧な染の技術には驚く。し、だまし絵っぽくて面白い。
 
 108 段に菊桐文様縫箔      江戸時代 17世紀後期
       繻子地、絞り染、刺繍
       奥州伊達家伝来の能衣裳。繻子地の絹の銀色の艶やかさには息を呑む。ものすごく細い均質な糸が紡ぎ出す光沢。金糸以上に艶やか。とても300年以上も前のものとは思えない。保存もいいのだろうが、新品の時はどれほどだったのだろう?
 
 
 『美しきシモネッタの肖像』 サンドロ・ボッティチェリ テンペラ 1480~85 
 
 今回の展覧会の一番のお目当て。
 日本にある唯一のボッティチェリの作品と考えられている。
 ボッティチェリ、大好きだけど、生で見るのは今回が初めて。
 
 明るい色調。テンペラは経年変化がほとんどないと言われている(油彩は暗くなるらしい)。
 カッ、と晴れ渡った燦々と太陽の光が降り注ぐような明るさではなく、しっとりと落ち着いた明るさ。どこかヴィスコンティの色調や光を思わせる。
 ネットやポスターにこの絵が載せてあるのを見ても、どれも直に見る色調の繊細さや明るさは再現されてない(当然のことだけど)。博物館発行の図録でも、とくに頬の微妙で繊細なぼかしは表現し切れていないし、絵全体がやや暗い感じになっている。

 目を見張るような、すごいというような、そういうインパクトは全然ない。
 左肩にかけている赤い布やレースの質感がとてもうまく再現されているように思うけど、そういうことで、いいとか、すごいとか褒めるような問題でもないだろう。
 
 解説を読んでも、この絵は、やっぱり閉じている。
 こちらの思い入れがどこにも入る余地がない感じがする。
 だから、なにがいいとはっきり言葉にできない。
 
 とりあえず、あの色調、光、繊細さ、やわらかさ、そしてどことなく漂う詩情、そんなところがいいかな、今は。
 
 
全体の感想
 古い物が多いから仕方ないのだろうが、照明が。昼白色じゃなかったので、黄色系は飛んでいるものもあった。図録を見て初めてこんな色もあったのかと、かなり違う印象になってしまうものも。
 
 衣裳のコレクションは圧倒。
 それに比べて、絵画部門は『シモネッタ』を除くと、もうひとつな感じ。
 ルドンの絵もあったけど・・・ルドン、というだけで、あんまし。
 その他、絵でよかったのは、ブラマンクの『静物』。油絵の具ののせ方が面白い。
 明治以降の衣裳は、なんかもうひつと面白味に欠ける。風合いが出ていない感じ。風合いなんて微妙なものに気を遣う暇がなくなったか? 
 
 実際に着たらどうなるんだろう? 着用しているのを見てみたい、と思うけど、それはどだい無理な話。。。
 (とくに、木村雨山)
 
 
 黄老
 





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Last updated  2007/04/15 08:38:22 PM
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