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丸紅コレクション
絵画と衣裳 美の名品展 ~ボッティチェリ 「美しきシモネッタ」・淀君の辻が花小袖~ 京都文化博物館 07/4/13~07/5/27 05 御簾に梅文様小袖 江戸時代 17世紀後期 白綸子地、型鹿の子、刺繍 15 曳舟文様小袖 江戸時代 18世紀前期 納戸紋縮緬地、白上り、描絵、刺繍 とても大胆な意匠。 16 源氏物語に海辺文様小袖 江戸時代 18世紀前期 染分縮緬地、友禅染、絞り染、刺繍、描絵 裾の波の藍が美しい。その海に紅の葦もいい。 上半部、扇面・雪輪に絞り抜き、『源氏物語』の一場面が墨で描かれているが、その線が繊細でとてもいい。 32 松竹梅鶴亀文様振袖 江戸時代 19世紀前期 紅綸子地、総鹿の子 単純だが、ものすごく大胆な意匠。全体を五段にわけ、上から、松、鶴、竹、亀、梅。今回の衣裳の中では一番のお気に入りのひとつ。 46 御殿に四季草花文様帷子 江戸時代 19世紀前期 白麻地、茶屋染、刺繍 なんとも涼しげな帷子。刺繍までしてあったとは・・・。 49 柳梅御簾文様単衣 江戸時代 19世紀前期 納戸絹縮地、白上り、色挿し、刺繍 この単衣もなんともよかった。 76 檜葉に団扇立浪文小袖裂 桃山時代 16世紀後期 白練貫地、辻が花 辻が花の裂。時代がでてるせいもあるのだろうが、風合いがとてもいい。団扇の紫色がとくによかった。 80 群雀文様袱紗 江戸時代 19世紀前期 納戸繻子地、刺繍 かわいいと言うより、わりと目つきの悪そうな36羽の雀の文様。というか、昔の文様の生き物は今どきの妙に少女趣味っぽくなくていい。 87 春景海浜風景図友禅染掛け軸 江戸時代 19世紀前期 平絹地、友禅染 絵の部分はもちろん、風帯、一文字、中廻しの表装部分も染め。遠くから見ると織りのように見える。本画部分をはじめ、この精巧な染の技術には驚く。し、だまし絵っぽくて面白い。 108 段に菊桐文様縫箔 江戸時代 17世紀後期 繻子地、絞り染、刺繍 奥州伊達家伝来の能衣裳。繻子地の絹の銀色の艶やかさには息を呑む。ものすごく細い均質な糸が紡ぎ出す光沢。金糸以上に艶やか。とても300年以上も前のものとは思えない。保存もいいのだろうが、新品の時はどれほどだったのだろう? 『美しきシモネッタの肖像』 サンドロ・ボッティチェリ テンペラ 1480~85 今回の展覧会の一番のお目当て。 日本にある唯一のボッティチェリの作品と考えられている。 ボッティチェリ、大好きだけど、生で見るのは今回が初めて。 明るい色調。テンペラは経年変化がほとんどないと言われている(油彩は暗くなるらしい)。 カッ、と晴れ渡った燦々と太陽の光が降り注ぐような明るさではなく、しっとりと落ち着いた明るさ。どこかヴィスコンティの色調や光を思わせる。 ネットやポスターにこの絵が載せてあるのを見ても、どれも直に見る色調の繊細さや明るさは再現されてない(当然のことだけど)。博物館発行の図録でも、とくに頬の微妙で繊細なぼかしは表現し切れていないし、絵全体がやや暗い感じになっている。 目を見張るような、すごいというような、そういうインパクトは全然ない。 左肩にかけている赤い布やレースの質感がとてもうまく再現されているように思うけど、そういうことで、いいとか、すごいとか褒めるような問題でもないだろう。 解説を読んでも、この絵は、やっぱり閉じている。 こちらの思い入れがどこにも入る余地がない感じがする。 だから、なにがいいとはっきり言葉にできない。 とりあえず、あの色調、光、繊細さ、やわらかさ、そしてどことなく漂う詩情、そんなところがいいかな、今は。 全体の感想 古い物が多いから仕方ないのだろうが、照明が。昼白色じゃなかったので、黄色系は飛んでいるものもあった。図録を見て初めてこんな色もあったのかと、かなり違う印象になってしまうものも。 衣裳のコレクションは圧倒。 それに比べて、絵画部門は『シモネッタ』を除くと、もうひとつな感じ。 ルドンの絵もあったけど・・・ルドン、というだけで、あんまし。 その他、絵でよかったのは、ブラマンクの『静物』。油絵の具ののせ方が面白い。 明治以降の衣裳は、なんかもうひつと面白味に欠ける。風合いが出ていない感じ。風合いなんて微妙なものに気を遣う暇がなくなったか? 実際に着たらどうなるんだろう? 着用しているのを見てみたい、と思うけど、それはどだい無理な話。。。 (とくに、木村雨山) 黄老 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/04/15 08:38:22 PM
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