カテゴリ:日本語講師
C中学校教師のジヘ先生から、
「はんらセンセ~! うちの学校でも『外国語の歌コンクール』をやることになったから、 審査員で来てよ~。 今年はペイ出すわ!」 と電話が来たので、行ってきた。 ジヘ先生については、こちら。 そして、外国語の歌コンクールについては、こちらを参照してくださいな。 前の学校でも好評だったアレをやるんですね!^^ 前のF中学校は、全校生徒が830人。 今度のC中学校は、全校生徒が64人だって。 12分の1の小さな学校だ。 C中学校まで行くには、バスを乗り換えて行かなければならない。 田舎のほうなので、バスも30分に1本。 韓国の地方都市のバスは故障することも多いし、 勝手に1本抜けちゃうこともある。 遅刻したら大変だから、余裕を持って時間ギリギリじゃなく1本早いバスに乗った。 田舎道をバスはズンズン進んで行った。 到着~ ホントに田舎でな~んにもないわ! 学校の近くのコンビニでコーヒーでも飲みながら時間をつぶそうと思ってたのに、 学校の隣は、廃業したガソリンスタンド(よしくんが好きそう~)。 学校の真ん前はこんな感じ。 仕方なく、随分早い時間に学校についてしまい、 行政室に案内されて待ってると、 行政室の室長さんだという男性が 「ボク、1年間、休職して日本に留学に行ってきたんです!」 と、フレンドリーに話しかけてきた。 東京で1年間、暮らしてきたんだそう。 日本語もお上手でしたよ。 日本語であれこれお話してるうちにコンクールの時間が近づいてきた。 日本語審査員の席に案内された。 小さな学校で、ネイティブの英語教師は週1回、市から派遣されて授業を受け持ってるらしい。 だから、英語の歌を歌う学生は多い。 でも、放課後授業がこれまで全くなかったんだって。 だから日本語や中国語ができる学生はいなくて、 日本語3曲のうち2曲までは教師が、 中国語2曲のうち1曲も教師だった。 これが第1回目なのでこれからだよね。 ジヘ先生は、 田舎の学校は国からたくさんの援助金が出てるのに、 学生たちにお菓子を買ってあげるとか、 そんなことにしかお金を使ってこなかったと、 大層、腹を立ててた。 「2学期からはまずは放課後授業を10科目、開講するわ! はんら先生、日本語の授業をお願いね!」 と、鼻息荒く、燃えてたわ。 国から予算が下りるなら、 学生がいなくて閉講になるということもないんでしょう。 日本語の採点表。 あ~、惜しいっ! 「点数」の漢字が旧文字になっちゃうのは仕方ないとして、 「内容の共感も」じゃなくて「内容の共感度」 「観客人気も」じゃなくて「観客人気度」じゃ~! 舞台にある装飾品やライトにすごく見覚えがあった。 あとでジヘ先生に聞いてみると、 やっぱり、ジヘ先生の家のものだった。 学校に下りてきている援助金を間食費などにばかり使って、 何の行事もイベントもやってきてないので、 行事に使える備品も何もないんだそう。 小さい学校でいいことは、 ほとんど全員が、舞台に立てたこと。 日本語は、最初に英語の教師が歌ったんだけど、 この英語教師も日本語がぺらぺら。 日本のドラマや歌謡曲が好きで、日本語が上手なんだそう。 「でも読めないです」 だそう。^^; そして、 ジヘ先生がこんなつばの広いお帽子で、 こんな背景を背負って登場したので、観客席は大いに沸いた。 ジヘ先生のところは、小学生の息子2人も日本語ができるので、 動画で日本語の歌を披露。 「小学生でも日本語ができるんだから、 アナタたちもガンバレ!」 というメッセージ? 今学期限りでこの学校を去るという(定年退職かな?) 校長先生が最後に自慢のサックスの腕前を披露。 お上手でした。 そして、 「学生たちが自ら準備し、全員が参加して、このような行事を行なえたことは本当に素晴らしいこと」 ととても喜んでおられました。 帰り、ジヘ先生の車で送ってもらったんだけど、 C中学校の教務部長が、国からの援助金で学生たちにお菓子を買い与えていた張本人で、 ジヘ先生のような熱血先生がやってきたことが すごく気に入らない模様で、 今回の行事も、何かと足を引っ張るようなことをしてきたらしい。 「あの教務部長を早く追い出してやる!」 と、やはり鼻息荒いジヘ先生なのでした。 C中学校は今、中3が2クラス、中2と中1が1クラスずつ。 中3生が卒業したら、全校学生数は半分に。 そして少子化で、来年の新入生の見込みも1桁数なんだそう。 このままじゃ、閉校になっちゃう!!! と、心配したジヘ先生。 今回の行事は、近所の小学校の校長先生たちも招待して開かれた。 小学校の校長先生たちに、C中学校はいい学校だと認めてもらい、 多くの新入生を送り込んでもらおうと思ってのことだという。 2学期、教務部長の迫害にも負けず、無事、日本語講座も開講されたら、 このド田舎の中学校にも通うことになりそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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