普通に…
普通に…最近、「普通にカワイイ」とか「普通に上手い」とか、冒頭に「普通に」ってつけるフレーズを、耳にする機会が増えたように感じます。「普通に」って言葉自体は神代の(大袈裟か)昔からありますが、このところの「普通に」の乱発傾向には、妙な違和感があります。それはナンデだろう? と、ちょっと前から考えていたですが、どうも、「普通に」の使い方が従来とは異なっていることに、原因があるようです。例えば「普通に面白い」といった場合、そもそも「普通に」という言葉には「中程度の」という、言いかえれば上中下の中、LM(R)SのM(R)、松竹梅の竹といった意味がある訳なんですが、それを「面白い」という物事に対する評価を含んだ言葉にくっつけて表現するところに、どこか無理を感じてしまうんです。だって、面白さを示す基準はそもそも「面白い」、「つまらない」、その中間の「普通」で示されてきたのに、「普通に面白い」といった場合、それはいわゆる「上の中」を意味するのか? 仮にそうだったとしても何のためにそういう表現をする必要があるのか、ちょっと理解できないんです。詳しく観察している訳ではないのでハッキリしたことはわかりませんが、こういった表現は、ごく最近広まったものだと思います。果たしてこの種の表現は、かつての「ら抜き言葉」と同様に何らかの意味を与えられ※ 日本語として定着していくのか、はたまた一過性の表現として終わってしまうのか、行く末に興味があります。※「ら抜き言葉」は「ら」を抜くことによって受身の「られる」との区別が図られたという点において、国語審議会がどう非難しようと、日本語の進化だと思うんですが…2003/06/01 12:09:38