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カテゴリ:decade(s)企画
前回の考察に続いての「福島圏」と「宇都宮圏」の境界論議は会津から中通りへと舞台を移し、今回は東北本線(宇都宮線)について述べていきたいと思います。
東北本線において福島駅と宇都宮駅との中間になる地点は、白河駅と久田野駅との間、白河駅の北側3キロほどの地点にあります。東北本線(宇都宮線)一本で結ばれているので運賃体系の面でも素直であり、片道運賃を見ると白河駅では宇都宮駅1,280円に対し福島駅1,450円、逆に久田野駅では宇都宮駅1,450円に対し福島駅1,280円と、立場がクッキリと分かれます。 所要時間の面でも同様で、この区間を境に宇都宮駅優勢か福島駅優勢かで分かれます。宇都宮方面では黒磯駅で必ず乗り換える必要があるため多少のロスが発生しますが、福島方面も郡山で乗り換える列車が結構多く、また乗換を要さない列車でも郡山駅で長時間停車するため、どちらも優劣つけられない情勢となってしまいます。 従って、東北本線(宇都宮線)の普通列車でみていく限り、白河駅以南が「宇都宮圏」ということになります。以下白河駅のデータを示すと、 【対福島駅】 運行本数 上下36本 平均所要時間 1時間36分 片道運賃 1,450円 【対宇都宮駅】 運行本数 上下36本 平均所要時間 1時間28分 片道運賃 1,280円 となり、指標もまた、 【対福島駅】 運行本数 ± 0.0ポイント 平均所要時間 - 4.3ポイント 片道運賃 - 6.2ポイント 計 -10.5ポイント 【対宇都宮駅】 運行本数 ± 0.0ポイント 平均所要時間 + 4.3ポイント 片道運賃 + 6.2ポイント 計 +10.5ポイント と、宇都宮駅優勢の結果が出ます。郡山駅~福島駅間のWきっぷを活用すれば白河駅~福島駅間は片道1,350円まで値段を下げることが可能ですが、白河駅~宇都宮駅間の運賃を下回ることができず、指標を逆転するまでに至りません。県南の枢要である白河市中心部が「宇都宮圏」というのも、少し淋しい気がします。 また、白河駅から一駅宇都宮駅に位置し東北新幹線も停車する新白河駅もまた、在来線、新幹線ともに宇都宮優勢の結果となります。新幹線を利用した場合のデータを示すと、 【対福島駅】 運行本数 上下37本 平均所要時間 33分 片道運賃 3,240円(自由席特急券代1,790円を含む) 【対宇都宮駅】 運行本数 上下37本 平均所要時間 27分 片道運賃 3,070円(自由席特急券代1,790円を含む) であり、指標も同様に、 【対福島駅】 運行本数 ± 0.0ポイント 平均所要時間 -10.0ポイント 片道運賃 - 2.7ポイント 計 -12.7ポイント 【対宇都宮駅】 運行本数 ± 0.0ポイント 平均所要時間 +10.0ポイント 片道運賃 + 2.7ポイント 計 +12.7ポイント となります。 ここで注目すべきは、平均所要時間に大きな差がついてしまっていることです。 この背景には、新白河駅に停車する新幹線の列車の3分の1近い上下12本が郡山駅止まりの「なすの」であり、福島駅までたった2駅しか離れていないにも関わらず中間の郡山駅で乗換を余儀なくされることと無縁ではありません。確かに新白河駅周辺は首都圏への通勤者も少なからず存在するし「なすの」の存在は貴重でしょうが、同じ県内なのに新幹線を乗り換えなければならない現状があるということに対し、福島県当局や新白河駅付近の方がどのように考えているか伺ってみたいところです。 なお、白河駅や新白河駅近辺のバス路線については、東側を走っている水郡線との絡みもあってかなりややこしい様相を呈しているので、発表は次回に回します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.06 22:43:45
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