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テーマ:読書(8189)
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今日の午前中、近所に用足しに行くついでに、空き家になった医院を活用して設置された町の図書室(公民館の分室)に立ち寄りました。
適当な本を手に何冊かとって斜め読みしていたのですが、一番ハマったのは、乙武洋匡「五体不満足」。もう刊行してから15年になるんですね~でも私は読むの初めて(おいおい)無名時代の乙武さんがどんな人生を辿ってきたのかが詳細に書かれており、興味深く読みました。 全編を通じて伝わってくるのは、乙武さんご本人や周囲の人々が「障害=身体的特徴」と考え、障害者と健常者との障壁を取り除こうと頑張っているところ。その意味では乙武さんはいい人に恵まれたな~と思った次第。 が、一つ引っかかったのは、乙武さんのご両親が、乙武さんの小学校進学時に養護学校を避け健常者と同じ小学校へ通わせようと奔走していた点。障害者と健常者とのバリアフリーを目指す意図が前面に出ていた一方で、乙武さんやご両親がが養護学校についてどのように考えていたのかは、全く触れられずじまい。上手く言えないのですが、最近、障害者が養護学校ではない学校に進学することがトレンドというか「あるべき方向」になってしまっていて、乙武さんが意図したかしないかは別として「五体不満足」はそれを補強するテキストになっているのではないか…と思うんですよね。 障害者が一人前の人間として社会で生きていくためには、乙武さんのように「早いうちから社会の中に放り込みできる限り健常者と同じように扱う」のも一つの手段だとは思うのですが、この方法は、必ずしも専門知識を有するスタッフや障害者に対して理解あるまなざしに恵まれているとは言い難い面があります。ひらたく言えば「当たり外れ」が激しい。障害者本人の将来を考えた場合、むしろ養護学校の方が卒業後のサポートも含めて充実した学校生活が送れるケースもあり得ます。障害者だって十人十色。誰もが乙武さんのようなパーソナリティではないし、各自にマッチした「生き方」が複数提示されるべきだと考えます。 数年前に私はある肢体不自由児学校の様子を知る機会に恵まれたのですが、先生方の熱意も授業のレベルも私の予想を覆すほどに高く、この環境ならば安心して子供達を学ばせることができるな~と(親の視点で)思ったものでした。乙武さんの活躍と並行して、養護学校のカリキュラムやサポート体制は、もう少しクローズアップされても良いのではないでしょうか? 【中古】健康・医療 ≪健康・医療≫ 五体不満足【画】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.09.21 14:23:06
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