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テーマ:少子化について(92)
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前のエントリでは都市圏の新生児数について書きましたが、「人口あたりの新生児数」(以下「比率」と表記)でみると各都市圏の差はさほど大きくはなく、大体0.5~0.6%台のレンジに収まります。平たく言えば人口の200人弱に1人が乳児ということなんですが、人生80年時代なんだから理想は80人に1人ということになるし、そこからはずいぶんかけ離れた比率だなぁ…と思わなくもありません
これがもっと規模の小さい自治体となるともっと比率が低くなり、さらに言えば自治体ごとの差もハッキリと出てきます。以下、東北地方における人口1万人~1万5千人の自治体(計36ヶ所)の人口と新生児数を、比率の高い順に紹介します。 なお、調査対象期日は、前のエントリと同様、福島県以外の5県の都市圏が2007年10月1日および2022年10月1日の人口とこれらの直前1年間の出生数、福島県が2008年1月1日および2023年1月1日の人口とこれらの直前1年間の出生数です。 六ヶ所村(青森県) 人口10,174人 出生者数78人 比率0.77% 藤崎町(青森県) 人口14,293人 出生者数91人 比率0.64% 棚倉町(福島県) 人口12,832人 出生者数74人 比率0.58% 山田町(岩手県) 人口13,783人 出生者数72人 比率0.522%※ 六戸町(青森県) 人口10,361人 出生者数54人 比率0.521% 鏡石町(福島県) 人口12,174人 出生者数63人 比率0.517% 桑折町(福島県) 人口11,090人 出生者数56人 比率0.50% 川西町(山形県) 人口13,854人 出生者数68人 比率0.49%※ 会津坂下町(福島県) 人口14,357人 出生者数69人 比率0.48%※ 村田町(宮城県) 人口10,325人 出生者数46人 比率0.45% 大槌町(岩手県) 人口10,535人 出生者数46人 比率0.44%※ 南三陸町(宮城県) 人口11,779人 出生者数51人 比率0.43%※ 板柳町(青森県) 人口12,198人 出生者数51人 比率0.418%※ 山元町(宮城県) 人口11,749人 出生者数49人 比率0.417%※ 階上町(青森県) 人口13,167人 出生者数54人 比率0.410% 尾花沢市(山形県) 人口14,064人 出生者数57人 比率0.405%※ 遊佐町(山形県) 人口12,425人 出生者数50人 比率0.40%※ 中山町(山形県) 人口10,431人 出生者数41人 比率0.393% 鶴田町(青森県) 人口11,576人 出生者数45人 比率0.3887%※ 山辺町(山形県) 人口13,381人 出生者数52人 比率0.3886% 松島町(宮城県) 人口12,955人 出生者数49人 比率0.38%※ 猪苗代町(福島県) 人口12,948人 出生者数47人 比率0.363%※ 南会津町(福島県) 人口13,608人 出生者数49人 比率0.360%※ 石川町(福島県) 人口13,945人 出生者数50人 比率0.359%※ 羽後町(秋田県) 人口13,103人 出生者数46人 比率0.35%※ 蔵王町(宮城県) 人口11,043人 出生者数38人 比率0.3441% 岩手町(岩手県) 人口11,639人 出生者数40人 比率0.3437%※ 一戸町(岩手県) 人口10,851人 出生者数36人 比率0.332%※ 七戸町(青森県) 人口14,055人 出生者数46人 比率0.327%※ 白鷹町(山形県) 人口12,386人 出生者数40人 比率0.32%※ 涌谷町(宮城県) 人口14,743人 出生者数46人 比率0.31%※ 野辺地町(青森県) 人口11,854人 出生者数36人 比率0.30%※ 丸森町(宮城県) 人口11,548人 出生者数30人 比率0.26%※ 洋野町(岩手県) 人口14,467人 出生者数36人 比率0.25%※ 三種町(秋田県) 人口14,438人 出生者数34人 比率0.24%※ 川俣町(福島県) 人口11,422人 出生者数24人 比率0.21%※ ※…過疎地域に指定されている自治体 紹介した36自治体のうち、比率が0.5を超えたのはわずかに7ヶ所だけ。最下位の川俣町に至ってはその0.5の半分以下の0.21、つまり人口500人弱に1人しか乳児がいないという有様です。トップの六ヶ所村は産業構造が独特だからまぁ別格としても、上位の自治体と下位の自治体で比率が3倍以上離れていることには驚かされます。 また、これらの自治体は、全域から児童生徒をかき集めて学校を統合したとしても、1学年で1~2クラスにしかならないんですよね(藤崎町はさすがに3クラスかな)。学校の維持という観点から「令和の大合併」の必要性も考える必要性があるかもしれませんね。 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村 (中公新書 2558) [ 辻 陽 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.29 19:53:02
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