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2008.07.11
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カテゴリ:空間認知
6日に大間崎沖で墜落した青森朝日放送の取材用ヘリについて、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は10日、引き揚げた機体の残骸から、ヘリは前から急角度で海に激突したとの見方を示した。

客室やエンジン、尾翼の一部が引き揚げられたが、客室は天井がはがれ、操縦席から前は完全に壊れて計器盤は残っていなかった。

その一方、客室内にはエンジンなどが爆発した形跡はなく、燃料も残っていた。
目撃談からヘリは濃霧に入った可能性があり、その場合、パイロットがヘリの位置や姿勢が分からなくなる空間識失調に陥る可能性があるという。

空間識失調とは航空機のパイロットなどが飛行中、一時的に平衝感覚を失う状態。
この状態に陥ると機体の姿勢や進行方向の状態を把握できなくなる。
地面が上なのか下なのか、機体が上昇しているのか下降しているのかわからなくなる危険な状態で、航空事故の原因になることが多い。

いわゆる空間認識は人間の五感にたよるが、中でも最も重要なのが視覚である。

空間識失調も同様で、濃霧や夜間など、視界がきかない状態になった場合にはベテランのパイロットといえどもこの状態に陥ることがある。
空間識失調に陥った場合は、水平儀や高度計、昇降計、航法表示器などの計器を信じて操縦することが最善とされる。

今回の事故の場合、急に濃霧に入ったことで視界が失われ、空間識失調に陥って前方から海に突っ込んだものと考えられる。
もちろん、計器類に異常がなかったかどうかも重要なポイントになるだろう。

いずれにせよ、人間にとって空間認識が如何に重要化を物語る事故といえるだろう。
X,Y,Zに加えて、足が地に付いていない状態では、三軸の傾きも空間認識の対象になること。
そのことは人間が本来如何に精密なセンサを持っており、その情報を無意識のうちに解析しているかを示しているとも言える。





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Last updated  2008.07.11 02:03:49
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