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カテゴリ:測量
国際航業は2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震について、地震前後のレーザデータ計測地形データから作成した陰影起伏図の画像を公表した。
地震発生前後の2時期のDEM(2mメッシュ)から作成した陰影起伏図の画像を比較することで 微細な地形の変化が見て取れる。 調査範囲の南東側の領域は、データ処理で生じた見かけ上のわずかな変化以外は大きな変動がない。 一方荒砥沢ダム湖に流入した大規模な地すべりや、三迫川右岸の大規模な崩壊による地形変化は明瞭。 その他に、山腹斜面から尾根を跨ぐように生じた断裂が見える。 断裂を境にして、北側の範囲が東に移動し、南側の範囲はわずかに西または南方に移動しているように見える。 断裂の北側の移動範囲は、図の西端よりもさらに西側まで広がっている。 また、三迫川左岸の斜面は南東側に移動しているように見える。 これらの動きは、広域的な地殻変動量が相対的に十分小さいとすれば、局所的な地盤の変動量が抽出されていると考えられる。 地図やGISの役割は現実世界をモデルとして視覚化することにある。 災害の際に各種センサにより収集されたデータも、視覚化を経てこそ有効になる。 今回発表された成果は、地震前後の地形・地盤の変化が細部まで再現されており、非常に意義があるものだ。 計測技術に加えて、このようなビジュアリゼーションの技術が進歩することで、今後はより精細な解析が可能になるだろう。 こうした優れた技術をもっと一般にアピールできれば測量も社会的に認められると思うのだが。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.13 00:25:44
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