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カテゴリ:地図
7月に竣工100年を迎える宇野港(玉野市築港、宇野)の完成当時を詳細に記録した地図が、同市内で見つかった。
4000分の1の縮尺で細部まで描かれており、岡山県の資料館などにも保管されていない品。 専門家は「本州と四国を結ぶ玄関口としての役割を担った同港の礎を知る貴重な資料」としている。 「宇野港全図」と題した地図は縦約55センチ、横約70センチ。 1909(明治42)年7月15日の同港完成後で、竣工式直前に当たる9月10日に発行された。 南をほぼ上に、現在の同市築港、宇野地区の大部分を範囲としている。 作製者は同市築港で荒物店を営んでいた本倉健さん(1859~1945年)で、同市八浜町八浜の山田次郎さん(76)方に保管されていた。 縮尺が大きいため、港一帯の市街予定線や国鉄(現在のJR)宇野線の宇野駅構内での線路数まで綿密に表記。 港の西側に位置する旧宇野村の住宅地などは、建築物の形状もうかがえる。 正確な測量をした明治期の岡山の地図は、大半が2万分の1より縮尺が小さい。郷土史に詳しい玉野市教育委員長の榧(かや)嘉明さん(70)=同市宇野=は「見つかった地図は細部まで精査でき、資料価値が高い」と評価する。 「宇野港付近図」(20万分の1)として、岡山県南部と香川県北部の地図も掲載。 鉄道路線のほか宇野、高松両港を結ぶ鉄道連絡船の航路も記している。 印刷のため当時数多く発行された可能性が高いが、岡山県立記録資料館(岡山市北区南方)や同県立図書館(同丸の内)にも保管されていない。 榧さんは「発行時期を考えれば、竣工式を記念しての作製と推測される。 港100年の節目に見つかったのは、何かの縁かもしれない」と話している。 (山陽新聞より) ---------------------- 地図の世界には不思議な驚きがまだまだあるものだ。 これほどの大縮尺図が状態もよく残っており、しかも開港100年の節目に発見されるとは。 この時代の大縮尺図自体が貴重であるし、資料館にも保管されていない。 画像では詳細までは読み切れないが、等高線も美しく編集されている印象だ。 小縮尺図の挿入のされ方も美しい。 測量精度ばかりでなく、当時のカートグラフィーの技術を知る上でも貴重な図だ。 今後公開されるようであれば是非見てみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.24 01:54:08
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