5093576 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ちずらぼのちずらぶ

ちずらぼのちずらぶ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

ちずらぼ

ちずらぼ

Calendar

Category

Archives

2024.08
2024.07
2024.06
2024.05
2024.04

Comments

ガーゴイル@ どこのドイツ 大森駅と東急線の蒲田駅の間の桜プロムナ…
人間辛抱@ Re:広島呉道路無料化の明暗(02/14) テーマから外れてしまいますが、 初めまし…
ガーゴイル@ どこのドイツ 三好寿の調査した比較すると低い方が春帆…
Jeraldanact@ Проститутки метро Звёздная Брат замминистра инфраструктуры Украины…
NBBrett@ От этого источника вы будете в восторге интернет сайт под ключ - https://web-th…

Freepage List

2013.03.03
XML
カテゴリ:地図
創立175周年記念を迎えたスイストポ(Swisstopo/連邦地理局)はGPSを導入。
一方、グーグルマップは独自の技術開発に専念する。
今日、地図を提供するサービスはごまんとあるが、そんな中でスイストポはどこまで利用者の要望に応えられるか。

スイストポのオンライン地図「タイムトラベル(Journy through time)」は、長期間にわたる景観の変化を地図で表すツールを備えた、おそらく世界初のアプリだ。
コンピューターのスクリーンに映ったスイスの地図上には地図の縮尺、種類などを表すウインドウがある。
プレイボタンをクリックすると、過去半世紀余の間に、その一帯が変化した様子を見られる。

これは、スイス地図の製作者に対する義務を定めた2007年の法律を受けて作られたツールだ。
この法律によって、製作者には新しい地理情報だけでなく、過去の地理情報も提供することが義務付けられた。
つまり、それ以前からスイストポが実施していたことだが、新たに地図を製作する場合、新版の地図だけを提供するのではなく、旧版も一般公開しなければならない。

「地図から読み取れる過去の出来事に興味のある人にとって、このツールは非常に便利だ。趣味の利用から専門家のニーズまで、幅広く利用されるようになると期待している」と、スイストポの地図製作専門家マルティン・リッケンバッハーさんは、ツールの初公開時に語った。

現在、スイス国民のおよそ半数は、どこからかGPS(全地球測位システム)や地図のデータをダウンロードできるスマートフォンを持っている。
そのうち83%は30歳以下だ。このような状況で、スイストポのオンライン地図アプリにはどのような利点があるのだろうか。

「もちろん、ヨーロッパ各地の国境が過去数百年の間に変遷していった様子を見られるインタラクティブな地図もすでに存在する」とベルン大学で環境・気候史を教えるクリスティアン・ロール教授は語る。
「しかし、スイストポのツール『タイムトラベル』は、複数の縮尺を取り入れており解像度が非常に高い点が特徴的だ」

タイムトラベルでは、3種類の地図を見ることができる
一つ目はスイストポの創設者ギョーム・アンリ・デュフール将軍にちなんで名づけられた縮尺10万分の1のデュフール版だ。
二つ目は、1870年から利用されているジークフリート版シリーズ。
これには、縮尺2万5000分の1と5万分の1の2種類がある。
最新版の三つ目の地図は全3種類の縮尺で製作されており、最少縮尺は100万分の1だ。

ロール教授の学部は、スイスの地形の変化を研究するために過去の気候データを地図に記入している。
最近までグーグルマップを利用していたが、現在は全ての関連情報をスイストポの地図に移す作業が進行中だ。
「これで、グーグルマップよりはるかに正確で見やすい地図ができるだけでなく、ユーザーは過去の気候データを標高別に参照することもできるようになる」とロール教授は解説する。

さらにロール教授は、土地開発が時間とともに景観に与える影響を学生に教える際に、タイムトラベルが非常に役立つと言う。
現在ロール教授の研究チームは、ギュルベ川の氾濫原に対する影響について調査をしている。
ギュルベ川はベルン州を29キロメートルにわたって流れており、氾濫原のほとんどが農地用に開発されてきた。
タイムトラベルはその変化の様子を連綿と映し出している。

スイス都市計画協会(Swiss Urban Planning Association)の地理学者ハイジ・ハークさんもまた、タイムトラベルが学習に有用だと同意する。
ハークさんは、都市計画の知識を必要とする社会人、特に政治家などを対象に都市計画についての基礎講座を定期的に行っている。

オンライン実業家のサイモン・プールさんは、世界規模のオンライン地図「オープンストリートマップ(OpenStreetMap)」を運営する財団の代表を務めている。
道路などの地理情報データを誰でも編集・利用できるオープンストリートマップには、世界中から膨大な数の地図が提供されている。
プールさんはスイスの地図を高く評価しており、スイスは現在、開発計画に関する法案の採択を目前にしていることからも、スイストポの最新地図には教育的価値があることを認める。
スイスでは3月3日、都市部の不規則な拡大を食い止めるために、今後数十年間、土地の開発の制限を求める改正案の是非について、国民投票が行われる。

「タイムトラベルは、スイスの景観の急激な変化、特に過去50年間の変化をうまく表していると思う」とプールさんは評価し、「私個人は、建築ブームが始まったころをよく覚えている。タイムトラベルを利用すれば、この時代を知らない子どもも大人も景観がどのように変化していくかを見ることができる」と説明した。

ロール教授がベルン大学でスイスの気候の変化について研究する一方、チューリヒ工科大学(ETHZ/EPFZ)ではクリストフ・ジロ教授が、大学の景観設計ラボでスイスの地形・地理的特徴を3D(三次元)で表す方法を研究している。

「我々が本当に興味を持っているのは、3Dのツールと3Dによる景観計画およびデザインなので、スイストポの一般的な使い方はしていない」とジロ教授は説明する。
また「生態系サービス(生態系の公益的機能)を利用することが多いので、次世代の教育には3Dグラフィック情報システム(3D Geographic Information System)が使われるようになるだろう」と推測する。

例を挙げると、ジロ教授のチームは、スイストポの2D地図に解像度の高い3Dモデルを組み込むために、地上型レーザースキャナーと呼ばれる機器を使用している。
チームの目標は、気候変動やその他の要因が将来スイスの景観にどのような影響を及ぼすか予測することだ。

スイストポもまた3D技術を駆使し、3Dパノラマ地図の注文を受けたり、一点を多方向から見られる地図「フライト(flight)」を作ったりしている。
しかしジロ教授は、スイストポは従来の地図製作にも力を入れるべきだと考えている。

「地図製作には役割があり、(スイスにおいては)非常に大きな意義がある。私は途上国でも働いているが、スイスのように高精度の領土地図を製作できる国は少なく、これは非常に素晴らしい財産と言える。3Dというアプローチは、特にアルプスの環境では、伝統的な地図製作の補足にすぎない」

スイストポは創設175周年を迎えたが、次の175年が過ぎた後はどのように変化しているだろうか。
プールさんは、スイストポの未来は得意分野への集中によって確立されると信じている。

「昔ながらの紙の地図の需要が減少し、採算が合わず製造業者がいなくなったとき、スイストポが製作を続けるという大役を担うことになるだろう。そして州の機関を除けば、将来おそらくスイストポが地理情報を全て揃えた『総合店』になるだろう」

(swissinfo.chより)
------------------------------

スイスの地図はその美しさに定評があるが、この「タイムトラベル」を見ると改めてその凄さを再認識させられる。

そもそもトポグラフィーなので、Googleの地図と比べることには無理がある。
地形や地勢など、その土地のマクロ的な環境を知る上でトポグラフィーは重要だが、日本ではなかなかこうしたサイトが作られることはない。
山岳国スイスならではの需要なのかも知れない。

地図<位置情報というパラダイムシフトは日本の地図を大きく変質させたといえるが、何も全てが同じ方向へ向かう必要はない。
様々な位置情報コンテンツのプラットフォームとしての真位置地図の需要の高まりはある種の必然である一方、人間が視認する地図においては転位や総描といったカートグラフィーの基礎的な手法が依然として必要な場面も多い。

多くの真位置地図は、GISによるコンテンツの融合による利益を享受するために、人が本来快適であるべき「見やすさ」を犠牲にしている。
ユーザーサイドもそこは気づいていて、ただそれでも自らが取得したGPSデータも含めたコンテンツの重ね合わせを実現するために「我慢している」状態ともいえる。

このあたりは用途に応じた棲み分けも重要だが、各コンテンツを活かしながらも人にやさしい表現をもっと試行錯誤してもいい。
学会等でもある時期アナログとデジタルの2極対立的な不毛の議論が横行し、大切なことをなおざりにしてきたことでこうした本質的議論が遅れてしまったことが惜しまれる。

我が国のトポグラフィーを支えるのは国土地理院。
電子国土もスイス型のサービスを目指してもいいのではないかなどと思わなくもない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.03.03 02:47:58
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X