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文部省唱歌「春の小川」に歌われた渋谷川の流れを再生させる計画が今年以降、本格化する。
東京都渋谷区の渋谷駅周辺の再開発に伴い、2017年度までの再生整備を目指す。 渋谷川は支流も含め、高度成長とともに水流がほとんどなくなっていた。 昨年3月に地下化された東急東横線渋谷駅のホームと線路跡地を利用する東急電鉄の「渋谷駅南街区プロジェクト」の一環。 国道246号そばの稲荷(いなり)橋下流に広場を、川沿いの約600メートルに遊歩道を整備する。 川には隣の新宿区にある都の下水処理施設で浄化した再生水を流す。 渋谷川は駅前の宮益橋を起点に、港区の天現寺橋付近で古川に注ぎ込むまでの2.6キロ。 支流の宇田川や穏田(おんでん)川は1960年代にふたをされて下水道になり、本流は大雨の時以外はほとんど水が流れていない。 清流を取り戻す活動をしているNPO法人「渋谷川ルネッサンス」の石井健三事務局長(48)は「川が身近になれば、街を大事に思う気持ちも育つのでは。水辺で遊べる自然に近い姿にしてほしい」と願う。 高さ170メートルのビルとともに2017年度の完成を目指す。 (東京新聞より) ------------------------------ 渋谷川は新宿御苑から流れ出て渋谷の街を流れ、目黒区に入る天現寺橋から古川に変わるが、上流部は支流も含めてほとんどが暗渠化されているため、初めてその姿を見せるのは渋谷駅の国道246の南側。 もちろん地形や、現在の道路の形状などからおおよその流れは分かるのだが、ビルや繁華街の中でほとんどの人が気づかずに過ぎていくのが現状だろう。 以前そのような話をしながら渋谷を歩く企画で教育テレビに出演させて頂いた際に、東京都の協力でマンホールを開けて宇田川の暗渠を見せて頂いたのだが、いわゆる幹線下水になっており、それなりの水流があったのが印象的だった。 ちなみに『春の小川』に歌われているのは渋谷川の支流である宇田川のさらに支流の河骨川だ。 水流の再現は渋谷川ルネッサンスにあるように「川を身近に」ということはもちろん、多くの人に地形を認識してもらう上でも重要なことだと考える。 都会では川がないとなかなか谷地を谷と気づかない。 しかしながらこうした土地はゲリラ豪雨などの際に水が流れ込みやすく、排水の許容量を越えれば浸水することも珍しくない。 地形を意識することは防災上も有効だ。 もちろん、春の小川に歌われたような天然の清流は望むべくもない。 遊歩道の整備と浄化した再生水を流すのは現実的な選択肢だと思う。 ただ、例えば雨が降ればある程度増水するような、目に見える川としての自然の機能や性質はきちんと見せたいところ。 川がただの「水辺の風情」というだけの飾りにするのであれば計画の意味合いも半減するように思えてならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.01.03 00:55:07
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