カテゴリ:なんちゃって鉄ヲタの鉄道ワンダーランド
<←C57 44号機の煙室扉に装着されたナンバープレート。左端の"4"の数字だけテストとして砲金の地肌が磨きだされています>
先月から移設に向けた再整備が進められている西条市民公園の国鉄C57形蒸気機関車44号機"春雷号"。整備に携わっている大山正風氏にメールで質問した際に、昼の休憩時間中なら見学も可能と知らせてもらっていたのですが、好奇心には勝てず(笑)先日20日の昼頃に現地に赴いて大山氏から色々お話を伺いつつ少しだけ見せてもらいました。 実は去る12日に地元の愛媛朝日テレビの夕方のニュースで本機の再整備の話が紹介されたそうですが、最近めっきり地上波を見る機会が減ってしまった管理人はうっかり見逃したのですよ(苦笑)今後も継続取材するそうなので、また続報があったら今度は見逃さないようにします。 大山正風氏は松山市在住の元教員で、定年退職後は蒸気機関車の愛好家として全国の保存機の現況を取材する傍ら、荒廃状態から再生されることになった機体の再整備作業にも携わられています。元々、C57 44を四国鉄道文化館に移設することになった時点で西条市では再塗装を検討していたそうで、そこへ大山氏が問い合わせしたのを機に今回の再整備を請け負うことになったとのことです。 20日までの時点で、溶接で固定されていた可動部分は運転室や缶周りを中心に除去を進めたようですが、あまりにも溶接箇所が多くて300ヶ所を超えたところで数えるのをやめたそうです(笑)現在は各部の塗装の研磨・除去が主な作業で、錆や亀裂のない部分は磨いて上塗り、錆や亀裂のある部分は下地まで研磨して防錆塗装の上で再塗装という流れになるようです。また、動輪・ロッドや砲金製のパーツ類は地肌磨きだし+アクリル系保護剤仕上げとなり、現在は黒塗りになっている給水温め器や煙突の金属バンド類も金色に塗り替える予定です。今はあちこち赤い防錆塗装で以前の屋外展示とは別物な見た目になっていますが、完成後は以前からは見違える美しさになりそうで今から楽しみです。 ただ、機関車全体ではまだ1/4〜1/3といったところで、まだテンダー(炭水車)や缶下部および動輪・従輪と手付かずの部分も多く、これらをたった一人でこれから片付けていくのは相当大変だと思います。もっとも、同じように静態保存の蒸気機関車の再整備に携わっているSLファンは全国各地にいらっしゃるようで、その内整備が進めば手伝いに来てくれるだろうとのことでした。 外側だけでなく運転室の中も拝見し、運転席に座らせてもらって運転操作の方法も教えてもらいました。運転席の計器類は再塗装のため一旦取り外されていますが、すべて復元してから再取り付けする予定で、欠損している一部の計器やパーツも取り寄せ等により確保済だそうです。なお、石炭を燃やす火室内には1975年10月の最終走行で焚いた石炭の燃え殻が残っており、煙室内にも最終走行までに溜まった油煙が残っています。通常は静態保存の前に清掃されるのが一般的だそうで、中に残ったまま保存されたのは珍しいようです。ある意味貴重な存在といえますが有害物質でもあり、また整備期間との兼ね合いもあるので、取り除くか残すかは今後市側と検討するとのこと。 運転操作は慣れるとそんなに難しくもなさそうでしたが、自動車のアクセルに相当する加減弁ハンドルの操作は結構繊細なコントロールを要求されるようです。合わせて蒸気機関車の動力伝達についても色々教えてもらいましたが、前方左右に付いている車体から見れば小さな蒸気シリンダー2基だけでこの巨大な車体を動かせるんだから凄いもんですね(笑) とりあえず一時間程度の短い見学でしたが、鉄道にあまり詳しくない管理人にとってはちょっとした勉強になった一時でした。C57 44の今後についてはこれからも随時追っていく予定です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.03.06 09:31:00
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