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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2008.11.01
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 今回は久々にYahoo!コミックスで放映話の原作が無料公開されており、手元で比較しながらチェックできました♪

〔Target.30:ラブはナイフ〕  原作:リイド社SPコミックス第6巻収録(1970年初出)

CAST  ベン・ピアース:小杉十郎太  ナタリー・ルイス:日野由利加  ウォーレン・コール:上別府仁資

 夜のとあるビル。その中でナイフを手にある人物の暗殺を目論むタキシード姿の男がいた。男は地下駐車場に時限爆弾を仕掛けて爆発させ、それに驚いて部屋から出てきた標的の人物目がけてナイフを投げ付けて一投で仕留めると、窓からロープを伝って脱出し、相棒の女性が運転するオープンカーに乗って意気揚々と引き上げていった――――――男の名は、ベン・ピアース。
 仕事を終えたベンは相棒の女性ナタリーと共に依頼人に接触し、報酬の残金を受け取る。ベンは大胆にもゴルゴ13の名を騙って殺しの仕事を請け負っていた。依頼人はゴルゴ13が助手を使っていることに違和感を感じるも、ベンは自分が仕事で誰を使おうと関係ないと言い放ち、悠然と去っていく。

 ホテルに逗留するベンとナタリー。ベンは元々ドサ回りのサーカス団から出奔したナイフ使い崩れのしがない殺し屋で、かつては1,000ドルで細々と仕事を引き受けていたが、ナタリーと出会い、彼女から教えられたゴルゴ13の名を騙って彼女が探してきた仕事を請け負うようになってからは50万ドルもの大金を手にするようになり、その稼いだ額は200万ドルに達していた。ナタリーは本物のゴルゴ13にバレないうちにそろそろ切り上げようと考えていたが、対するベンはゴルゴ13の名を出しただけで報酬が跳ね上がることに満足せず、自分自身の名で殺し屋として成功すべく本物のゴルゴ13を倒す野望を抱いていた。しかし、ナタリーは彼を引き留めようとする。かつて、彼女は恋人だった男をゴルゴ13に殺された過去があった。銃声を聞き付けて男の家に戻ったナタリーは偶然行き違いになった東洋人の男から微かに硝煙の匂いを嗅ぎ取り、慌てて家に駆け込んだが、家にいたボディガードたちは悉く倒され、早撃ちに自信を持っていたという恋人の男も懐から拳銃を抜く暇すら与えられず死んでいたのだった。ナタリーは恋人を殺したゴルゴ13への復讐心から、鼻っ柱の強い若者にゴルゴ13の名を騙らせて彼の請け負うはずの仕事と報酬を奪うことを企んでベンに近付いたが、今ではそのベンに心から惚れていた。彼女はゴルゴ13を鋼の肉体とジブラルタルの岸壁のような固い意志、正確な狙撃術を持つ本物のプロフェッショナルと評し、何とかベンを止めようとするが、ベンは自分にもナイフという相手にはない秀でた特技が一つあると言って譲らない。自分を男にしてくれと訴えるベンの姿にナタリーもついに折れ、激しく求めてくる彼に身を委ねるのだった・・・

 数日後、ベンとナタリーはゴルゴ13がウォーレン・コールなる人物の抹殺の依頼を受けたことを突き止める。ウォーレン・コールは裏の世界でも名を馳せる財界の大物で、その日は自ら所有する豪華客船エル・カスティージョ号に賓客を集めてパーティーを開くことになっていた。二人はゴルゴ13がコールを狙って船に現れると睨み、船内でのショーに出演するナイフ投げの曲芸師コンビとしてコールの船に乗り込む。
 そして夕刻、船に乗り込んだ二人の前に、招待客の中に混じってゴルゴ13が現れた。ベンは相手の力量を見極めようとバンドの荷物運びを手伝うフリをして彼に近付き、わざと転びそうになるが、ゴルゴ13はベンと荷物を手で受け止めると静かに去っていった。その姿を見送るベンの表情は険しい・・・
 その後、船内の食堂で食事を摂るベンは、先程の接触でゴルゴ13の凄さを思い知らされていた。ゴルゴ13はベンが転ぶことで騒ぎになって周囲の注目を集めるのを避けるため、周囲の状況とベンの動きを把握した上で敢えて彼を助け、周囲にまったく気付かれることなく去っていったのだ。ゴルゴ13にバレたのではと心配するナタリーだが、ベンは臆することなく室内を飛び回っていた蛾に食事用のナイフを投げて壁に縫い付けてみせる。一方その頃、ゴルゴ13はショーに出演するバンドの荷物の中に紛れ込ませていたM16A2を手に取っていた・・・
 やがて夜になり、船内のホールで曲芸師たちのショーが始まった。ベンとナタリーも見事なナイフ投げの演技を披露して観客たちの喝采を浴びるが、その最中、コールの背後のカーテンの影に潜むゴルゴ13を見つける。ステージの袖に引っ込んだベンは、次のショータイムで明かりが舞台だけになったときをチャンスと見てゴルゴ13に狙いを定める。ステージ上で妖艶なストリップショーが展開される中、静かにM16A2を構えてコールを狙うゴルゴ13と、ステージの袖からそれを狙うベン。そして、ベンの乾坤一擲のナイフがゴルゴ13目がけて飛んだ! が、一寸早く気配を察したゴルゴ13は咄嗟にライフルを動かしてナイフを退ける。焦ったベンは二投目を放つが、その前にゴルゴ13がトリガーを引いてベンの眉間を射貫き、彼のナイフはゴルゴ13の横を掠め飛んでいった。銃弾を浴びてステージに倒れ込んだベンの姿に観客たちが騒然とする中、ゴルゴ13はコールを射殺し、手にしていたスイッチで船内の照明を消すと静かに去っていった。
「わかっていたのよ・・・こうなるってことが・・・」混乱する暗闇の中、ナタリーはベンの亡骸に取り縋って泣き崩れるしかなかった――――――


○○○○○○

 ゴルゴ13シリーズでは定番のネタの一つである、ゴルゴ13の命を狙う殺し屋の挑戦とその結末を描く話。本作はシリーズの中でもかなり初期の話であり、ゴルゴ13の名を騙っていたしがない殺し屋・ベンが自らの力で殺し屋として成り上がろうとゴルゴ13に挑み、そして敗れ去る姿が描かれます。
 "ゴルゴ13の偽者"をテーマにしたエピソードでは、熱烈なゴルゴ13マニアの殺し屋が登場する『殺人マニュアル』も印象的ですが、これも個人的にはアニメ化してほしい作品の一つですね。

 原作自体がそれほど長くないのでそのままアニメ化してもよさそうなもんですが、すんなり作らないのがアニメ版の曲者さ(笑)まず、ベンの相方の女性の名前が原作ではマーサだったのがアニメ版ではナタリーに変更されているほか、前半のベンとナタリーの仕事とナタリーの過去のシーンを多少端折る一方、後半の船上でのベンとゴルゴ13の対決は原作にないシーンを入れて膨らませています。
 原作のマーサはかつてマフィア組織の幹部の愛人で、その幹部がゴルゴ13に自分の組織のボスを抹殺させて組織を手中に収め、ついでにゴルゴ13も口封じに始末しようとしたが逆に返り討ちにされたという過去の持ち主でした。アニメ版のナタリーではこの過去の設定は単に昔の恋人がゴルゴ13の標的になったという感じに簡略化されており、彼女がベンに近付いたのも最初はゴルゴ13の名を騙らせて彼から仕事を奪う復讐のつもりだったというアレンジになっています。原作のこのシーンではマーサが立ち去るゴルゴ13と擦れ違う際、彼の身体から愛人の男が愛用していた香水の匂いを嗅ぎ取って相手の末路を悟るのですが、これもアニメ版では硝煙の匂いにアレンジされています。
 また、原作の冒頭でのベンとマーサの仕事はラスベガスのカジノが舞台で、マーサがホール内で爆発騒ぎを起こしてその隙にベンが標的を仕留めるのですが、アニメ版では場所が標的のいる高層ビルの地下駐車場に変更されています。この辺は原作だとカジノ内の他の客が爆発の巻き添えになるシーンがあるので描写を避けたのでしょうか。
 一方、後半の船上でのベンとゴルゴ13の対決は、原作ではホール内での静かな対決が描かれるだけですが、アニメ版ではその直前にベンがゴルゴ13の力量を窺おうと接近するシーンを付け加えてベンが改めてゴルゴ13の凄さを思い知る演出になっています。また、標的を狙撃しようとするゴルゴ13にベンが得意のナイフ投げで挑むクライマックスは、原作では狙撃しようとしたゴルゴ13のM16にベンのナイフが当たって彼が自分を狙う存在に気付き、ベンを射殺してから標的のコールに2発撃ち込んで仕留めていますが、アニメ版ではゴルゴ13が撃つ寸前にベンの存在を察知して素早くM16を動かしてナイフを躱し、二投目を投げてきたベンを倒すというよりアクション色を強めた演出になっており、標的のコールも1発でこめかみを撃ち抜いて仕留めています。この辺のアレンジはやはり、連載初期でまだキャラクターが固まっていない時期の原作を今のゴルゴ13のスタイルでアニメ化したものと見ることもできそうです。

 ちなみに、今回ベンを演じたのは小杉十郎太。相変わらず脇の声優が豪華です(笑)なお、原作ではゴルゴ13の台詞は船内で標的のウォーレン・コールを狙うときの「次のショーだな」という一言だけですが、アニメ版はこの台詞を廃して代わりにベンに声をかけられた時の「いや・・・大丈夫だ」という台詞になっています。まぁどっちにしても一言だけなのに変わりはないんですが(笑)、アニメ版ではゴルゴ13が狙撃の瞬間に吐く息をコントロールする演技がアクセントとしてすっかり定着していますね。





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Last updated  2008.11.07 01:30:31
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かなり改変されてました   HK さん
エル・カスティージョ号の外見が、原作では大型帆船のような感じだったのに対してアニメでは今風の豪華客船になっていたのはまあ妥当なところでしょう。
冒頭でベンが殺しの仕事をするシーンの改変も、窓からロープで脱出するという原作にないシーンを入れたのは良かったと思います。ただ、場所がラスベガスのカジノではないのでなぜベンがタキシードを着ているのか分からなくなってしまったのは失敗だったのでは。
原作ではベンがナイフを投げた直後にゴルゴ13がライフルを構えたおかげで偶然ナイフがライフルに当たって命拾いしたという描写になっていますが、アニメではベンのナイフの気配を事前に察しているという形にアレンジされることで、ゴルゴ13が単に運がいいだけのプロではないということが分かるようになってますね。しかし、これだけ用心深いプロがなぜ「白夜は愛のうめき」であっさり尾行されたのか・・・。
ついでに言えば、今回の話ではわざわざM16を持ち込む必要はなかったのでは。どう考えても拳銃で十分な狙撃距離です。まあこれは原作通りですけど。 (2009.02.22 22:03:07)

もしかすると   ブラック・タロン さん
 冒頭でベンがタキシード姿だったのは、劇中で描写されてないだけで実はあのビルの中にカジノか何かがあってそこに潜り込んでいたという解釈もできそうです。それともまさか、ゴルゴ13の名を騙ってるだけに"ゴルゴ13=タキシード"という変な先入観もあったとか?(笑) (2009.02.24 22:12:16)

Re:ファイル30/身の程知らずの挽歌(11/01)   名無し さん
マーサの名前がナタリーに変わったのは「インディアン・サマー」のおばあさんと名前が被るからでは? (2021.10.21 14:37:48)

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