カテゴリ:治るとはどうゆうことか
黒丸尊治医師のお話です。パニック障害の患者さんは、発作に対する不安感や恐怖感のこだわりが強い。
その根底には「発作が起きたらどうしょう」といった発作に対するネガティブな認識が存在している。 そのため自然と発作を避けようとする気持ちがわきあがってくるが、これではかえって発作への こだわりの気持ちを強めてしまう結果となる。 黒丸氏の治療は、「発作を起こしたほうがよい」という逆説的な指示を出していくことから始まる。 患者さんの発作に対する認識が肯定的なものに変われば、不安感へのこだわりがはずれてくる。 以前のように、不安の増強、症状の悪化、パニックといった悪循環に陥ることなく、短時間で症状が軽くなる。 発作が乗り越えられるようになると、患者さんは自信を持つようになり、その結果さらに安心を得ることになり、 最終的な治療へと到達するようになる。(人は自分を癒す力を持っている198ページ) これは森田先生が不眠の患者さんに、一睡もしないで一晩中起きておくようにと指示されて治療されたことと同じことです。 このメカニズムは、「神経質の本態と療法」(267ページ)の解説に分かりやすく書かれている。 不安神経症の患者さんの意識はこれを忘れよう、意識しないようにしようとしている。 つまり意識の中心より、周囲に押しやろう押し込めようとしている。 そうすればするほど、それは意識の中心を占領する。これを意識がやや遠ざかっているときに、 意識的に無理やりこれを中心に持ってくるように患者さんに努力させる。 つまり発作を起こさせるようにさせる。するとここに意外なことに、中心に持っていこうとする努力とは逆に、周囲に退くのである。 これは対人恐怖の人にも応用できる。 対人タイプの人は自分のミスや身体的な欠陥は隠そうと必死になっている。 それが積み重なって対人恐怖症を作り上げているのである。 これを応用すると自分のミスや失敗、身体的な欠陥を具体的に面白おかしく 脚色してみんなに公表していくのである。これは普段のやり方の逆である。 森田先生や黒丸先生の理論の応用、実践である。 すると不安や恐怖が意外にも、小さくなることを実感してもらえるはずである。 すべてのケースで取り組まなくてもよい。 10のうち1つでも試験的に試してみれば、効果の大きさに驚くはずである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.03.18 23:26:35
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