カテゴリ:森田理論の基本的な考え方
2015年4月号の「生活の発見誌」の37ページからの記事は永久保存版にしたいと思っています。
コピーして自分独自のテキストに貼りつけたいと思っています。 それほど的確な記事です。強迫行為を伴う強迫神経症の人は必見です。 ガス栓が気になり何度も確認行為をしている人のメカニズムをこう説明されています。 強迫行為をする人は五感に対する信頼が弱いため、ガス栓を見ただけでは安心できません。 そこで一旦言葉で「閉まっている」ととらえ直して確認するというやり方をします。 いわゆる「意識レベル」での確認です。 そのため、意識作用に必然的にともなう「閉まっていないのでは」という反対観念が想起され、その葛藤のなかで身動きできなってしまうのです。 健康な人は、わざわざ言葉でとらえ直すことはしませんので、反対観念の出る余地がないのです。 この悪循環から抜け出るためにはどうしたらよいのか。 1、 自分の確認の仕方が健康なときとは違い「意識レベルでの行為」であると自覚することがポイントである。 意識レベルでの行為だから「反対観念」が生まれ、その葛藤で確認を繰り返すことになるという、からくりをよく学習すること。 2、 「確認した」という事実にすがるという方法をとる。 確かに、何度確認しても「閉まった」という実感が得られないというのが強迫神経症の特徴です。 それでも「何度か確認を繰返した」という事実だけは確認できているのですから、「その事実」にすがることで、しだいに五感の持つ確かな手ごたえを感じられるようになってゆきます。 強迫行為をする人の心の中では、「強迫行為をしない」という決意を強固に持てば持つほど、一方で「強迫行為をしたい」という反対観念が同時に立ちあがってくる。 森田理論で言う精神拮抗作用がマイナスに作用しているのです。 反対観念にとらわれて生活に支障をきたしているというのが実態です。 この方はさらに森田の受容的側面を取り入れていくことの重要性を指摘されています。 不安常住、あるがままの態度です。こういう具体的な手法も大事です。 1、 例えば「質問しよう」とすると、それと拮抗する「大勢の前では恥をかきたくない」という気持ちが同時に立ちあがってきますが、すぐにスッキリせずにこの気持ちの揺れをそのままにしておくと、そのうち自然に落ち着くところで動けるようになります。 2、 強迫神経症の人は悩みを一つに絞って悩んでおられる。 一つに絞らずに同時にたくさんの悩みを抱えていたほうが思いのほか楽になります。 以上概略を説明しました。 強迫行為で悩んでおられる方は、この記事をよく読んでください。 また生活の発見会の中に「生泉会」という学習グループがあります。 克服した仲間がたくさんおられます。 その「生泉会」から、「仲間とともに強迫神経症を生きる」という冊子も発行されていますのでご一読されてはいかがでしょうか。 立ち直りのエッセンスの詰まったとてもよい本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.04.08 06:46:45
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