カテゴリ:森田療法と他の療法について
アダルトチルドレンという言葉をよく耳にする。
親に問題があって、子どもらしい本来の育て方をされなかったために、大人になってさまざまな精神症状や生きづらさが出てくるのである。機能障害家庭で育った人たちである。 愛着障害はアダルトチルドレンと重なる部分が大きい。 アダルトチルドレンや愛着障害の原因となるものをもう一度整理しておこう。 幼いころ(特に生後6カ月から1年6カ月の間が重要)親に見捨てられた。育児放棄をされた。 親と死に分かれた。親と離れ離れになった。親に放任されて育った。 親が離婚した。夫婦がいつもケンカをしていた。 親がアルコール、ギャンブル、薬物、ネットゲームなどにとりつかれていた。 親が自暴自棄になっていた。親が自殺、あるいは自殺未遂をしたことがある。親が再婚した。 他の兄弟ばかりかわいがっていた。 親が自分のことをいつも否定していた。叱責ばかりされていた。 親の都合や期待ばかりを押し付けられていた。 親が先回りして何でもやってしまっていた。 こずかいは要求すればいくらでもくれて、欲しいものはなんでも買い与えていた。 一旦アダルトチルドレン、愛着障害に陥った人は回復することは大変難しい。 でもそれを抱えたまま一生を過ごすことはとてもつらいことである。 完全には回復しないとしても、やり方によってはかなり修復可能である。 岡田尊司氏は回復の手立てをいろいろと述べられている。 詳しく知りたい人は「愛着障害」という本を読んでほしい。 ここでは私が納得できた部分を紹介したい。 岡田氏はまず自分の心の中に「安全基地」「ベースキャンプ」を作る必要があるといわれる。 精神的に落ち込んだ時に、やさしく支えてくれたり、相談に乗ってもらったり、退避できる人や場所を持つということである。 遅ればせながら多少なりとも愛着を形成していくということである。 では「安全基地」となる人はどういう人がよいのか。 岡田氏は「安全基地」の条件として5つあげられている。 1、 安全感を保証する。これが最も重要である。傷つけられることがない。非難されない、否定されない、無視したり、拒否されることがない。 2、 感受性、共感性の豊かな人。愛着の問題を抱える人が何を感じ、何を求めているのかを察し、それに共感することである。 3、 応答性。いざという時に相談できる。守ってもらえる。求めていないときは、余計な手だしをすることはない。 4、 安定性。相手の求めに応じたり、応じなかったりしてはダメ。その時の気分や都合で態度が変わってしまうのはダメ。 5、 すると愛着障害を抱えた人が、自分の抱えた問題や課題を、具体的に赤裸々に、包み隠さず何でも話すことができるようになる。 本来は親が果たすべき役割であるが、不可能な場合は親に替わる第三者が必要になる。 9月17に紹介したギャンブル依存症の人のための認定NPO法人ワンデーポートがそうである。 9月21日に紹介した引きこもりなどの子どもや若者支援を行っているNPO法人ステューデント・サポート・フェイスなどもその役割を担っている。 身近なところで「安全基地」を作ることはできないのか。 精神科医、カウンセラーという手もあるが、24時間いつでもオッケーというわけにはいかない。 業として行っておられるのであり、心の「安全基地」とし末長くお付き合いすることは難しい。 このような利害関係のある場合は「安全基地」作りはとても難しい。 特に多額の金銭や無料奉仕を要求される場合は要注意である。 お勧めは利害関係を離れた自助組織やサークルなどである。 世の中にはそれぞれの問題に応じて様々な自助グループが存在する。 明日はさらに詳しく見てゆきたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.10.04 06:41:35
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