カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
森田理論学習では、事実をよく観察して、できるだけ具体的に話すことを勧められます。
そのことで、参考になる話を、再度投稿します。 5歳ぐらいの子供が新聞紙に水が滲みたとき、こんなふうに表現しました。 「新聞に水が一滴たれたら、小さな水の小山ができて、そこに写った字が大きくなった。 だんだん水の小山が小さくなってきたら、今度は横に拡がっちゃった。 そしたら裏の字も見えてきた。」 もう一つ紹介します。 マル、ながくろ、バック、クロ、くい、リキ、ちょこ、タロ、うろ、チビ、つる、しろ。 これは小学生の横山あやちゃんが、4年生のときに自宅で飼っていた13匹の蚕につけた名前です。 おとなが見ればどれも同じ虫に見える蚕でも、あやちゃんは13匹の個性的な顔と生活を、見事につかんで成長を記録した。 1匹ずつ、わずかに違う顔の特徴も、ノートにきれいにスケッチしている。 (状況が人を動かす 藤田英夫 毎日新聞社 209、218ページより引用) 私たち大人は、この子どもたちのように観察や表現ができているでしょうか。 私はできていません。 いつの間にかそのようなささいなことに興味を持つことはなくなりました。 でも森田理論学習をしていて、いま改めて思います。 私たちは誰でも生きづらさを解消して、味わいのある意味のある生き方をしたいと思っている。 そのためには、森田理論学習で「生の欲望の発揮」と「事実本位の生き方」を身につけることが大きなポイントとなると学んできました。 この中で、事実本位の態度を身につけるためには、事実をよく観察して、具体的、詳細に話したり、書くことが出発点になるのではないでしょうか。 そういう意味では、この子どもたちは私たちの先生のような存在です。 この子どもたちは私たちに次のように問いかけているような気がします。 あなたは事実を掴もうと努力していますか。 あなたは事実を抽象的ではなく、具体的に話していますか。 あなたは事実を捻じ曲げるようなことはありませんか。 あなたは事実をごまかそうとしてはいませんか。 あなたは都合の悪い事実を隠そうとしてはいませんか。 あなたは嫌な事実からすぐに逃げてはいませんか。 あなたの事実認識は偏ってはいませんか。 あなたは事実をいつも両面観でみていますか。 あなたは現実や事実を「かくあるべし」で批判、否定、拒否してはいませんか。 あなたは事実を自分のものさしでよい悪い等と価値判定して批判、否定、拒否していませんか。 あなたは「純な心」「私メッセージ」を対人関係に活用していますか。 もしそうでなかったとすると、あなたは対人関係で苦労し、生きづらさを抱えながら日々生きているのではありませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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