カテゴリ:生活の発見会・集談会
生活の発見誌2016年10月号の「傾聴を集談会に応用」という記事はとても参考になった。
特に、共感したところは次のところです。 「初心者に対して最初から言っていることを批判したり、指導したりすることは避け、信頼関係を得ることに主眼をおいた対応が必要となります。 その上で、現在行われている集談会は、森田先生のような信頼関係が築けていない段階で指導やアドバイスのみを取り上げて再教育を実施している集談会が多いように思われます」 全くその通りだと思います。 いきなり森田理論学習を始める前に、ラポート(信頼関係)の形成が不可欠であるということは当然のことです。 特にボウルビィのいう愛着障害を抱えている人にとっては、批判、指導、アドバイスが先行するようでは、決してその先に進むことはできない。 森田理論学習適応者が集談会に寄りつかなくなるのである。 心の安全基地づくりが優先されなければ、森田理論を悩める相手に届けることはできない。 つまり生活の発見会という自助組織には、「受容、共感、傾聴」という土台となるベースがきちんと共通認識として整備されていないとダメだということだ。 そうでないと砂の上に強固な建物を建てようとするようなものになる。 いくら森田理論が優れているといっても、多くの人が評価してくれて、集まってくれないと意味がない。 この提言ではロジャーズの来談者中心療法の手法がいろいろと述べられていた。 いろいろと網羅的に述べられていたが、私としては、焦点をいくつかに絞って検討していくことをお勧めしたい。 その他は無視してよいと言っているのではない。 いろいろと手がけるよりも集中した方が、効果があると言っているのである。 私はこの中で特に重要なのは、「言い変え」、つまり繰り返し話法であると思う。 相手の話を自分なりの言葉に変えて相手に投げ返す技法である。 これを心がけると、相手のことを批判したり、指導したり、アドバイスするということは少なくなると思う。 なぜならこの技法は、相手に寄り添って傾聴していくことを目的としているからである。 ちなみに繰り返し話法には、感情に焦点を当てた繰り返し話法と事柄に焦点をあてた繰り返し話法の2つがある。 本文で、「言い変え」「感情への応答」「事柄への応答」として説明されているところである。 この部分をよく読んでほしい。66ページから68ページの部分だ。 次に来談者中心療法には、感情の反射、明確化、要約、支持などへの取り組みがあるが、まずはこの繰り返し話法が初心者に対してきちんと行われているのかどうかがとても重要であると考えています。 注意点としては、そのことの重大性に気のついた人だけが、そういう意識を持って取り組んでいても効果はない。 集談会には、幹事や世話人、中間層、ベテランと言われる先輩会員等がおられます。 その人たちがベクトルを合わせて、同じ方向で初心者対応ができているかどうかが問題である。 そのためにはそういう人たちに対する繰り返し話法の学習が不可欠である。 またこれは全国の集談会がその方向でまとまっていることが会の存続上大切である。 この対応は特に体験交流の場で問題となりやすい。 だから体験交流が、繰り返し話法に沿った会話がなされているかどうかをチェックしていく必要がある。 体験交流は4名とか5名の小グループでなされていることが多いと思う。 全部のグループがその方向性を共有化しているかどうか。 多くの集談会では幹事会なるものが行われていると思う。 その時に前月の集談会の体験交流で、初心者のことを批判したり、質問されてもいないのに、指導したり、アドバイスをしてはいなかったかどうか。 そして繰り返し話法を使った会話がなされていたかどうか検証してみることである。 建物でいえば基礎がきちんと固められたうえで、森田理論学習が行われているということが何よりも大切であると考える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.10.07 06:53:55
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