カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
先日の森田療法学会で岩木久満子先生の外来森田療法の話があった。
その中で、事実をどう捉えるかという話があった。事実には次の4つがある。 ・身体の事実・ ・ ・自分の容姿、病気になったという事実 ・心の事実・ ・ ・不安や恐怖がわき起こってきたという事実 ・人生の事実、世の中の事実・ ・ ・自分の生まれ育った境遇や自然災害などを受けるという事実 ・己のあり方の事実・ ・ ・不安にとらわれたり、 「かくあるべし」を自分や他人に押しつけているという事実。 早口で説明されたので、内容説明は若干間違っているかもしれないが、事実というものを4つに分けて考えられているということに共感した。 私たちは、森田理論学習の中で 「かくあるべし」を少なくして、事実本位・物事本位に生きていく生き方を学んでいる。 しかし十把一絡げで事実というものをとらえていると、事実というものが漠然としたものになる。 このように事実を分けて、今の事実はどれに当たるのだろうかと考えながら、学習していく方が効率的である。 一般的に森田理論では、心の事実についてのみ語られていることが多い。 不安、恐怖、不快感、違和感などである。 感情の事実に偏っていると、他の事実については考えが及ばなくなってくる可能性がある。 そうなれば、事実を正しくとらえて、対処しているとは言えないのではないかと思う。 私は、 「森田理論全体像」の中で、事実を4つに分けて考えると、より正確に分析できると述べている。 ・自然に湧き上がってきた。不安や恐怖などの感情の事実 ・自分の素質、容姿、性格、能力、弱みや欠点、ミスや失敗などの事実 ・他人の自分への理不尽な仕打ち、他人の素質、容姿、性格、能力、弱みや欠点、ミスや失敗などの事実 ・自然災害、経済危機、紛争など世の中の理不尽な出来事。 不安、恐怖、不快感、違和感にとらわれて、精神交互作用によって神経症として固着するということを森田理論学習で学んでいる。 しかし、事実にはそれ以外にもたくさん考慮しなければならない事実がある。 それらにとらわれて、 「かくあるべし」で事実を否定してはならないのである。 嫌な事実に直面した場合は、この4つのうちのどれに該当するのだろうかと考えて、如何にすれば事実に服従できるのかと考えていくことが肝心である。 森田理論では現実、現状、事実にしっかりと根を張り、そこから目線を少し上にあげて前進していく生活態度を養成することを目指している。 そのためには、事実をより正確につかむということが大前提となる。 そのために岩木先生の言われたことや、私の分析した事実についての分析を参考にしてほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.12.06 06:30:05
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