カテゴリ:行動のポイント
元中日ドラゴンズの山本昌さんのお話です。
山本昌さんの趣味はラジコンとクワガタを育てることだそうです。 ラジコンは全日本選手権に出場して4位に入るほどの腕前です。 始めたころは、わずか3分で周回遅れにされていた。 負けず嫌いの性格だったので、どうすれば勝てるようになるのが必死で観察したそうです。 そう思って観察していたら、秘訣が分かったそうです。 優秀な成績を出している人は、ラジコンノートをつけていたというのです。 車高が何ミリのときに走行がどうだったとか、バネの強さがどうだ、リバウンドがいくつだ、気温や天候はどうだったと、すべて克明に記録をとっている。 車高ゲージで、コンマ5ミリくらいまで測る。 試行錯誤してトライした結果を記録として残し、次に活かすという作業を地道に繰り返していたというのです。それを5ミリ単位で行っていた。 山本昌さんが、「もうちょっと曲げたいのだけど」と質問すると、即座に「こうすれば曲がるようになります。でもやりすぎるとスピンします」と的確に答えてくれた。 「すげえな、こいつら」舌をまく思いだった。と、そのとき、ふと思った。 「なんで彼らは、こんなに一生懸命にやるんだろう。趣味なのに」 それにくらべて自分はどうだ。野球は趣味じゃない、職業だ。 高額な報酬をもらってプレーしている。こんなことではいけない。 野球は「才能勝負」のような考え方をされがちだが、そうじゃないんじゃないか。 ラジコンのように、いろいろなところを追及して行けば、もっともっと良くなっていくのではないか。そうひらめいたのである。 そんな時期に小山裕史先生の「初動負荷理論」に出会ったそうだ。 小山先生は身体の動きについてすごく詳しく、僕は投球というものに対して、メカニック的なことを勉強し始めることになった。それが50歳まで現役を続けられた最大の要因になった。 (「継続する心」 山本昌 青志社参照) ミシュランガイドで3つ星を獲得しているシェフが、料理は一つ一つの作業を取りだしてみると、単純作業の繰り返しなんです。その単純作業の中にどれだけ多くの疑問や改善点を見つけることができるか。そして工夫や改善を繰り返して、さらなる高みを目指すのが一流シェフなのですといわれる。 これは私たちでいうと、日常茶飯事の料理、仕事などに我を忘れるほど「ものそのものになれるか」どうかということだと思います。 言われたからイヤイヤやっていますというのは、初期段階はいざしかたがない。 でもその段階で終わってしまっては、次にはつながらない。 神経症でいえば、目の前に日常茶飯事に一心不乱に取り組まないかぎり、いつまで経っても神経症は克服できない。 それは行動によって症状が治ることを期待する考えが邪魔をするからである。 最初はイヤイヤ仕方なしでも構わない。でも行動に弾みがついたときに、一心不乱になって取り組むようにならないと症状が改善するということは起こりえない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.03 09:36:50
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