カテゴリ:「かくあるべし」の発生
今日は他人から「かくあるべし」を押し付けられた場合の、対応方法を考えてみたいと思います。具体的には、批判、非難、否定、叱責、軽視、無視、からかい、脅迫されるなどです。
こんな場合、「目には目を、歯には歯を」という感じで反撃している人はいませんか。 私も恥ずかしながら、森田理論を学習する前は、そんな感じでした。 反撃しないと、自尊心というプライドが許さない。不快感が治まらない。 ついやり返してしまう。後で後悔するが、人間関係はもとには戻らない。 暴言や暴力に訴えた場合は、悪評が広まって四面楚歌になってしまう。 森田理論学習によって、せっかく「かくあるべし」の弊害を学習しているのですから、これを人間関係に応用してみませんか。 相手の「かくあるべし」をいったん受け入れるのはどうでしょうか。 どんな理不尽なことを言われても、どんなに間違っていることを言われても、人格を否定されることを言われても、反撃を控えていったん受け入れるのです。 ここで役立つのは、「お客様相談室」の対応です。 普段は冷静な人でも激昂して、人様には言えないような暴言を吐いてきます。 ここでは売り言葉に買い言葉の対応は厳に戒めるように言われています。 相手の怒りが収まるまで、どんどん吐き出させるようにするのです。 「ご迷惑をおかけしております」 「ご不便をおかけしております」 「ご心配をおかけしております」 こちらから言うことはこれくらいのものです。 感情は一山登った後は、下り坂に向かうのですから、時間の経過をひたすら待つ戦略です。こちらが反撃しないと、そのうち相手は張り合いをなくしてしまいます。 いつのまにか最初の勢いはしぼんでしまいます。 この段階をスキップすることは、事態をさらに悪化させて、修復困難になります。 この段階を無事に通過すると、ひとまず消火活動に成功したことになります。 落着いたころを見計らって、クレーム内容について、少しずつ聞き出していくようにするのです。 問題点が判明すれば、解決の道が見えてきます。 配偶者、親、子供、上司、同僚、友人などから、「かくあるべし」を押し付けられたときは、森田理論を活用するチャンスが到来したと考えるのはどうでしようか。 相手の「かくあるべし」に対抗しないで、まず受け止めるようにする。 相手の不快な感情、気持ちだけを一旦受けいれるということです。 ここがポイントです。 ただし、相手の要求をすべて飲む必要はありません。 あくまでも相手の感情にそっと寄り添うということです。 全てにわたって相手の言いなりになるということではありません。 相手の言いなりになると支配・被支配の関係になってしまいます。 マイナス感情を承認するだけで、相手の主張に同意することではないということは、はっきりさせておきましょう。 そして時間の経過をしばらく待つ。 そして落ち着いた時を見計らって、自分の言いたいことも相手に伝える。 大きな溝が横たわっていれば、話し合いによって調整して行く。 お互いが納得できる妥協点を探る。 譲ったり、譲られたりして何とかバランスをとっていくことが肝心と心得ることです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.05.14 06:32:20
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