カテゴリ:治るとはどうゆうことか
対人恐怖症は、人が怖いという感情が強くでてくる人です。
他人は自分に危害をもたらす存在であるという気持ちが強い。 この感情は不快な感情ですから、扁桃核から青斑核に送られます。 ここからノルアドレナリンという神経伝達物質によって防衛系神経回路が作動します。この神経回路は専守防衛です。闘うか逃げるかのどちらかです。 このときドパミン主導の報酬系神経回路はお休みしています。 やる気が湧いてこなくなり、生産的、建設的、創造的な行動は抑制されます。 他人が恐ろしいという感情は自然現象です。 人間の意志の自由はありません。 その感情を抱えたまま生きていくしかありません。 どのような心掛けで生きていけばよいのでしょうか。 対人恐怖の人は、職場や学校で、他人が自分をどのように取り扱うかに神経が集中しています。寝ても覚めても人間関係のことばかり考えているのではないでしょうか。仲間から嫌われないようにしたい。上司から叱責されないようにしたい。 同僚から能力のない奴だと軽蔑されないようにしたい。 そのことばかり考えていると神経過敏になり心が休まる時がありません。 肝心の仕事の方は上の空になります。イヤイヤ取り組んでいるように見えます。 その結果どうしてもミスや失敗が多くなります。 それが仲間、同僚、上司に伝わり、ますます付け込まれるようになります。 悪循環のスパイラルから逃れることは出来なくなります。 ではどうすればよいのか。 100%対人関係のことで頭の中がいっぱいという状態が問題だと思います。 その比率を90%、80%、70%・・・と下げていくように頭を切り替えて実践していくというのはどうでしょうか。 実はこの考え方は神経症を治していく方法の一つなのです。 その方法として考えられることを思いつくままにあげてみましょう。 1、仕事の方ではとるに足らないような小さな仕事を丁寧に行う。 例えば1枚の伝票にお金を扱うように大事に扱う。 書類をファイルして文房具をチキンと整理整頓する。 気持よく仕事をするために、朝少し早く出勤して掃除をする。 仕事仲間にはこちらから積極的に挨拶をする。 2、次に日常生活は規則正しく丁寧に取り組む。 凡事徹底です。時間の有効活用を心がける。 就寝時間、朝起きる時間を一定にする。 食事は買い出し、料理、片付けをきちんと行う。 これが手抜きになってはいけません。 整理整頓、掃除、洗濯をきちんと行う。 3、次に集談会に参加している人は、世話役を引き受けて、みんなに喜ばれるように真剣に取り組む。 4、ぺットなどを飼い、親身になって世話をする。観葉植物の手入れをする。自家用野菜作りを始める。 5、趣味を作って取り組む。自分の興味や関心のあるものに取り組む。 6、会社以外の楽しい人間関係を作る。趣味の会、カラオケ仲間など。 7、健康維持のために運動やウォーキング、ストレッチなどを心がける。 8、資格試験に取り組む。生涯学習を始める。好きなスポーツに取り組む。 9、楽器演奏、一人一芸に取り組む。 10、慰問活動などのボランティアに取り組む。 これ以外にもいろいろとあると思います。ご自分でも考えてみてください。 対人恐怖症は正攻法で対処するとますます悪化します。 また、対人恐怖症は、人の思惑にとらわれやすいという性格傾向を持っているということですから、完全になくすることは出来ません。 頭の中が100%対人不安で一杯だった状態が、徐々にその比率を下げて、それ以外のことにも頭が働くような方向を目指すのがよいのです。 その下がった部分だけ対人恐怖症が治ったと考えるのです。 そして50%くらいまで下がってきたら、それ以上の根治を目指すのは考えものだと思います。対人不安でビクビクハラハラしながらでも、人生を謳歌して楽しむ方に方向転換していきましょう。その方が味わい深い人生になります。 最後に、森田理論が教えてくれた人間関係の極意を紹介しておきましょう。 それは「不即不離」を応用することです。 これは、親密になりすぎず、疎遠になりすぎない人間関係です。 引っ付きすぎてもいけないし、離れすぎてもいけない。 適度な距離感があり、広くて薄い人間関係のことです。 コップに一杯の人間関係よりも、コップに少しだけの人間関係をたくさん作るという気持ちで生活するということです。 人間関係は、必要な時に、必要に応じて、必要なだけを心掛けることです。 この考え方もぜひ参考にして取り入れてみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.10.11 06:36:01
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