カテゴリ:行動のポイント
生活の発見誌の12月号に「平凡道を非凡に歩め」という言葉が紹介されていました。次郎物語を書いた社会運動家の下村胡人の言葉です。
森田理論学習をしている私たちにはなんとも味わいのある言葉です。 下村胡人は佐賀県で教師をしておられましたが、その後東京に出て「煙仲間」運動を始めました。 煙仲間というのは、佐賀鍋島藩の「葉隠」からきており、名もない若侍たちが、武士としての生き方を語り合った集まりだったそうです。 下村胡人はその精神を受け継ごうとしていたようです。 全国から青年団OBを集めて社会教育をされていたのです。 その弟子に同じ熊本の五高出身の永杉喜輔が加わりました。 永杉喜輔は後に群馬大学教授になりました。 永杉喜輔は生活の発見会の名付け親です。 生活の発見会の生みの親である水谷啓二と同級生だったのです。 水谷啓二は下村胡人の機関誌「新風土」の影響を大きく受けています。 「平凡道を非凡に歩め」というのは、なんでもないあたりまえのことを丹念にやれという意味です。下村胡人は自ら研修所のトイレを徹底して磨き上げていたそうです。凡人道を実践していないと生活はうまく回っていかなくなります。 手を抜いて楽をしたり、人任せにしていると、生活のほころびが出てきます。 生活のほころびは、心のほころびに波及します。 一旦坂道を転がり落ちるようになると、勢いがついて途中で止めることは難しくなります。 水谷啓二氏は、「我々神経質者は風雲に乗じて成功を遂げるタイプではない。毎日の生活を丁寧に行うことで成果を出すように心がけるべきだ。そういう生活を20年30年と積み重ねると非常に非凡な成果を生み出す」と言われています。 これは「平凡道を非凡に歩め」という下村胡人の教えだったのです。 三重野悌次郎氏は人生は雑事の積み重ねであるといわれました。 雑事、雑仕事に丁寧に取り組み、小さな成功体験を積み重ねて、ささやかな喜びを味わう。それが人生を豊かに彩る基本だと心得て凡事徹底に邁進しましょう。 神経質者は、ここが抜け落ちると後悔の多い人生になってしまいます。 平凡を大切にした生活を心がけていると、「我が人生に悔いはなし」という心境に至るのではないかと思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.07 23:45:34
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