カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
矢作直樹氏は、穏やかな生活を送るために、次の6点を挙げておられます。
1、知足(足りていると知る) 2、必然(それ以外になりようがないと知る) 3、中今(今この瞬間こそ真実と知る) 4、無常(あらゆるものは常に変化すると知る) 5、覚悟(迷いを断ち切ることこそ最善と知る) 6、御陰(大いなる存在に守られていると知る) (身軽に生きる 矢作直樹 海竜社 70ページ) これらはほとんど森田理論で目指していることと重なっています。 今日は、これを基にして、森田理論を深耕してみたいと思います。 1、少欲知足のことです。我唯足知とも言います。 欲望は追い求めると暴走を始めます。それが生きる目的となります。 欲望は無制限に追い求めないようにすることが肝心です。 求めすぎると無理をしてしんどくなります。他人と争うようになります。 森田では、過大な欲望は不安によって制御することが大事だといいます。 サーカスの綱渡りのように欲望と不安を上手にコントロールすることを心がけるようにしなければなりません。 2、森田では、「ものの性を尽くす」と言い換えてもよいと思います。 これが「必然」のことだと思います。 非難、否定、不平不満をぶちまける前にすることがあります。 現在あるもの、持っているものの価値を再評価し、居場所や活動の場を与える。 すべてのものや人は、存在価値を持っているという視点を持つということです。 これを実践すれば自分も他人も平和になります。 3、過去の自分のしでかした不始末を後悔することは誰でもあります。 自分を自己否定していると、みじめになるだけです。 否定するのではなく、その事実を認めて反省すればよいのです。 そこを出発点にして、同じような失敗は繰り返さないようにすれば、過去の不始末は許されると思います。 後悔にとらわれていると、目の前のことから注意や意識が離れてしまいます。 森田では目の前のことに注意や意識をフォーカスして行くことをお勧めしています。そのために、規則正しいルーティンワークを作り上げて実行していく。 凡事徹底を心がけることです。雑事に一心不乱に取り組むことです。 その中から気づきや発見を見つけ出すことが生きがいにつながります。 4、諸行無常のことです。 鴨長明の方丈記や平家物語に書いてある通りです。 どうにもならない神経症的な不安は、持ち抱えたままにする。 変化を読み、変化の波に上手く飛び乗って行くことを心がけることです。 変化対応を軽視すると未来は開けてきません。 不安は谷あいを流れる水のようにどんどん流して行くことを心がける。 5、神経症の克服、神経質性格者の人生観の確立はすべて森田理論の中にあります。森田理論学習に取り組むことでものにすることができます。 せめて1年間だけでも真剣に森田理論学習に取り組んでみましょう。 その方法は生活の発見会の先輩会員が教えてくれるはずです。 確実にものにするためには、仲間と一緒に学習していくことです。 森田理論はそんなに難しいものではありません。 理解できたら、自分の生活や仕事に活用・応用していくことです。 くれぐれも宝の持ち腐れになりませんように。 6、この世の中の出来事は何か偉大な大きな力が働いているように思います。 そう考えている人は「サムシング・グレート」の存在を感じています。 そういう人はとても謙虚で、「生きていること」「生かされている」ことに感謝しています。大自然や大宇宙に抱かれて悠然と生きていらっしゃるように感じます。 こういう死生観をもつことで、その人の生き方が変わります。 この考え方は、樹木希林さんや遺伝子研究の村上和雄氏から教わりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.18 10:54:00
コメント(0) | コメントを書く
[観念重視から事実重視への転換] カテゴリの最新記事
|
|