カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
「草土記」の中に河原宗次郎氏の話がある。
網代に海水浴に行った時のことだ。「波には抵抗することはできない。抵抗すれば溺れる。波に身を任せきった時が一番安楽だ。心の波も、海の波と同じように、人間の力ではどうすることもできないのだ。それをどうにかできると考えたのは、自然の恐ろしさを知らない私の思い上がりなのだ」 森田先生にそのことを話すと、「それを自覚と言います。自覚とは自分の心のありのままの姿を知ることです。ふつうの人は、自分の心は自分が一番よく知っていると思っているが、それはとんでもない間違いです。あなたは人間の心の大きな事実について正しい自覚を得ました。今後、憂欝な気分に落ち込むことがあっても、それを切り抜けることができます。それが自覚というものです」と説明されたそうです。 実は私も小学生のときの海水浴で溺れて死にかけたことがありました。 今でも鮮明に覚えています。 まだ泳げないのに、浅いところから深いところに行き足が底に届かなくなった。 私は底に足がつくたびに思い切り飛び上がり、わずかに息をしては沈むという動作を繰り返していた。 その動作を何回も繰り返していると、偶然近くにいた友人が助けてくれたのである。近くに友達がいなければ、力尽きて死んでいたと思う。 今では穏やかな海や川でおぼれるという不安を感じることはありません。 海は浮力があるので、立ち泳ぎ、横泳ぎ、犬かきをしていれば溺れることはない。 万が一海の中で疲れても、仰向けになって、脱力して波に揺られて浮かぶことができれば、いくらでも息継ぎができます。 そして近くの仲間に援助を求めれば大事には至らないことが分かっています。 海で1.5キロの遠泳をしたこともあります。 海水浴では脱力して海に浮かぶという練習をすることが先決だと思う。 浮かぶことができるようになると、海に対する恐怖感がなくなります。 一番ダメなのは、浮かぶことができない状態で海に入ることだ。 制御力を失って、パニックになり、力いっぱい手足をバタバタと動かすと、すぐに体力を消耗して溺れてしまう。 浮かぶというのは自力ではありません。 海水の持つ浮力を利用して、自然に身を委ねるという他力の気持が必要になります。 神経症も森田理論学習によって、原理原則を理解する。 それを日常生活の中で応用・活用することで自然に治っていきます。 生活の発見会という自助組織があるわけですから、仲間と励まし合いながら行うことをお勧めしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.20 06:29:44
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