カテゴリ:人間関係、不即不離
陸上競技に400mリレーというのがあります。
4人でチームを組み、バトンを手渡しして勝ち負けを競います。 小学生でチームを組んで競争させるとどんなことが起きるか。 負けたチームは、負けた原因を仲間のせいにしてしまう。 あの子がまともに走っていたら負けることはなかった。 あの子と同じチームではいつまでたっても勝てることはできない。 自分のせいで負けたと思う子供は自己嫌悪してしまう。 次に走る距離は自分たちで自由に決めてももらう。 走るのはちょっと苦手という人は30mでバトンを渡す。 走るのが得意な子どもは150m程度、あるいはそれ以上を走る。 4人それぞれ走る能力に差があるので、どう組み合わせるかはチームにまかせる。 チームは勝つために話し合うようになる。練習では距離を変えて試走を繰り返す。 一番良い記録が出せる組み合わせが見つかるとチームがまとまってくる。 仲間への誹謗中傷はなくなり、レース中は仲間の応援に夢中になる。 これは人それぞれ得手・不得手があるという前提に立っている。 それを最大限に活かすにはどうすればよいのかみんなで考える。 勉強はからきしだめだが、運動能力抜群という子どももいる。 リーダーとなって仲間を鼓舞するのが得意な子どももいる。 長距離はなんとかなるが、短距離で必要な瞬発力がないという子もいる。 スタートダッシュが得意な子もいる。苦手という人もいる。 前を走るライバルがいると、力以上のものを出す子どももいる。 バトン渡しの阿吽の呼吸を心得ている人もいる。ぎこちない人もする。 苦手な人を最初か最後に回すと、バトン渡しは1回で済むので勝つ確率が上がる。 怪我を抱えている人もいる。本番に強い人、弱い人がいる。 4人が意見を出し合って、それぞれの能力を見極めて適材適所に配置する。 みんながやる気になる。自然にチームのまとまりが生まれてくる。 これは森田では「物の性を尽くす」と言います。 「己の性を尽くす」「他人の性を尽くす」という考え方です。 硬直した考え方をしていると、こういう発想はなかなか生まれてきません。 人間は誰でも欠点や弱みを持っているが、長所や強みも持っている。 ないものねだりをするよりも、自分が持っているものを最大限に活かしていく。 自分の好きなこと、得意分野では意欲も高まり、成果を出しやすいものです。 欠点や弱みの部分は他人に助けてもらい、逆に長所や強みの部分はさらに磨きをかけて、大いに人の為に尽くしていく。 そういう風に助けたり、助けられたりする人間関係を築くとみんなが幸せになるという考え方です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.10.06 06:20:07
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