図書館で『水素社会入門』という本を、手にしたのです。
「水素社会」がもたらす革命的な可能性とは?・・・興味深いのです。
【水素社会入門】
西宮伸幸著、河出書房新社、2021年刊
<「BOOK」データベース>より
脱炭素にむけて世界が目標を掲げ日本も水素の活用に取り組み始めた。水素からエネルギーを生み出す方法とは?製造、貯蔵、輸送はどうするのか?水素だけが秘める、革命的な可能性とは?きたる「水素社会」の全貌を、一から解説!
<読む前の大使寸評>
「水素社会」がもたらす革命的な可能性とは?・・・興味深いのです。
rakuten水素社会入門
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「まえがき」のようなあたりを、見てみましょう。
p2~4
<水素が持つ革命的ポテンシャルとは>
いま世界では、各国が脱炭素にむけて数値目標を掲げています。日本でも、東京五輪開幕目前の7月21日、経済産業省の「エネルギー基本計画」の素案として、2030年の電源構成が発表されました。ニュース番組でも報道されたので、ご覧になった方もいるでしょう。
「エネルギー基本計画」は、わが国のエネルギー政策の中長期方針を示すもので、2003年に初めて策定されて以来、おおむね3年に一度のペースで改定されています。今回は、2020年秋に菅総理(当時)が「2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言して以来、初めての改定ということになります。
それによれば、2019年度実績で76%を占める火力発電(石油、石炭、天然ガス)を41%に削減。一方、同じく実績値6%の原子力は20~22%に、18%の再生可能エネルギーは36~38%に引き上げ。つまり、脱炭素=カーボンニュートラルを大きく推進していくという政府の方針を示した数字になっています。
実はそのなかで、もうひとつ、注目すべき数字がありました。今回の改定で初めて「水素・アンモニア1%」が計上されたということです。
計上されたとといってもわずか1%、それで「水素社会」を語るのは早計ではないか、と思う方もいるでしょう。
たしかにいまの世の中、政策レベルでも市民レベルでも脱炭素の意識が高まってはいるものの、化石燃料の代わりとして期待されるのは太陽光や風力などの再生可能エネルギー、ガソリン車を買い替えるなら電気自動車(EV)、ただし当面はハイブリッド、というのが一般的な認識。水素は「CO2を排出しないクリーンなエネルギー」ではあるけれど、これからは「水素社会」だ、といえるほどの“逸材”といえるのかどうか。そう思っている方もいるのではないでしょうか。
実は、水素こそ、これからの脱炭素=カーボンニュートラルを実現していくうえで、重要なプレーヤーであることは間違いありません。
わずか1%、ですがほんとうは、1%ではない。CO2を排出しないエネルギーですがそれだけではない。水素にはまだまだ社会を変える可能性があるのです。
本書では、太陽光や風力、水素発電の他、さまざまな形で生産されたエネルギーを、水素に変換して流通させることのメリットをわかりやすく説明しました。従来、電力は送電線で送るのが常識ですが、水素に変換して送ることが大きな意義があるのです。さまざまな価値が「貨幣」に形を変えて交換・流通するのに似て、エネルギーにおいては、「水素」があたかも貨幣のような役割を担えると考えます。
現在、水素エネルギーに関する実証実験が国内各地で行われています。EUを中心に、世界でもさまざまな取り組みが進行しています。
「水素社会」にむけて、世界はゆっくりと動きだしている、といっていいでしょう。少なくともその技術的基盤は整っています。ですから、私は2030年には「水素社会」を実現できる、と信じています。
とはいえ、水素をどうやって自動車をはじめとする船舶や飛行機の動力源に利用するか?
水素を使ってどのように発電するのか?
水素をいかにして製造し、貯蔵、運搬するのか?
「水素社会」とはどんな仕組みの社会なのか?
・・・など、あまり深く知られていないのが現状です。本書では、そうした疑問に答えながら、水素が持つ革命的なポテンシャルをわかりやすく解説していきます。
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水素社会については、エバーグリーン・リテイリングの
水素社会とは?水素エネルギーのメリットから課題まで解説というサイトがうまく説明しています。