映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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その他のジャンルの日本の小説

April 23, 2020
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みなさん、こんばんは。GWが近づいてきましたが、遠出する方いるんでしょうか?
各県の来ないでコールがすさまじい。それにしても岩手県感染ゼロって素晴らしい。

さて、今日はちょっと癖の強い小説を紹介します。

バースト・ゾーン―爆裂地区
吉村萬壱
早川書房

「テロリン達による実に巧妙で大規模且つ長期に亘る破壊活動とサイバーテロによって、ごく短い期間に国家は重度の機能麻痺状態に陥った。(p30)」

 本書に登場する日本は、そんな所だ。響きこそ可愛いが、「テロリン」とは、つまりはテロリスト。「あいつがテロリンでは」と疑心暗鬼に駆られた人々は、疑いだけで、所構わず人を殴り、死なせる。大抵の女は男に犯され、その場限りの快楽を求めて薬に走る者もいる。「凄まじい」という表現がぴったりの、救いや癒しとは無縁の世界だ。彼らはそもそも救われたいと思っていないのではないかとさえ思える。一度打ちのめされた人間は、他者を自分以上に傷つけないと、救われないのだろうか?

 「東京に核弾頭ミサイル5個が誤射された」という設定の『神と野獣の日』(松本清張:著)を読んだ事がある。キューバ危機の頃に『神と野獣の日』が書かれたように、9.11があって、この小説が生まれるべくして生まれたのだろう。心身が弱っている時には、お勧めしないが、逆に、気持ちを奮い立たせたい時には効果があるかもしれない。


『中古』バースト・ゾーン—爆裂地区​​KSC







最終更新日  April 23, 2020 12:00:19 AM
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July 1, 2019
みなさん、こんばんは。
サニブラウン選手200Mも制しましたね。
今日から7月です。
さて、今日は家族がテーマの小説を紹介します。


at Home
本多孝好
角川書店(角川グループパブリッシング)

『幸福な家庭はどれも似たものだが、 不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである』 とは、作家トルストイの言葉だが、本書を読んでも果たして同じ言葉を言えるだろうか?

 4篇それぞれに登場する家族たちは、「どれも似たもの」ではなく「いずれもそれぞれ」の形を成している。表題作では、家族それぞれがある目的を持って他人同士で暮らしているし、『日曜日のヤドカリ』は子連れの女性と独身の男性が再婚したところに、女性の前夫と地の繋がらない連れ子が絡む。『リバイバル』では、映画の『パイラン』或いは、浅田次郎の『ラブ・レター』にも似た話を持ちかけられた、バツイチのしょぼくれた中年男と外国人女性がつかの間の家族を形成する。『共犯者たち』は、妹の子供の体に傷を見つけた男性が、彼女の児童虐待を疑い、思いがけない家族二代の姿を発見する。

 従来、優しいイメージが強かった本多作品にしては、途中暴力的な場面も登場して、意外な印象を持つ読者もいるのではないか。しかしご心配なく。いずれの作品も人の優しさを信じられる作品に仕上がっている。

 結局は、他人が見て幸福か不幸かを決めるよりも、家族の一人一人が考える幸福の形は違う。そして血の繋がりを重視する従来の家族観よりも、心で繋がっていることを重視する本書の「いずれもそれぞれ」一見不幸に見える家族たちの方が、実は幸せなのではないか。そして心の繋がりを重視することは、血の繋がっている家族においても大事なことではないかと思えてきた。

核家族化が進み、血族だからこその凄惨な事件が起きている日本に、ぽぉんと優しい提言が投げかけられたような作品であった。


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最終更新日  July 1, 2019 08:09:38 PM
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June 2, 2019
みなさん、こんばんは。今年から外国の労働者受け入れが拡大されましたね。
でも地域の人達とのトラブルや差別的な扱いを受けることもなきにしもあらずです。

さて、こちらは不思議な名前のキャラクターが登場しますよ。

ムボガ
集英社文庫
原 宏一

いやぁ、挑戦的ですね、このタイトル。何の意味だかわからない。

 さっさと言ってしまうと、人の名前です。アフリカ人で、日本に出稼ぎに来ていた若者の名前。彼が、北関東の田舎町でバンドを組んでいた中年男達を、自分の故国・トポフィ共和国(もちろん仮名です)に紹介すると、あら不思議、ツアーは大成功で、日本語で書くと「なんだこりゃ」と言いたくなるような歌詞が大ウケ。さてはこれ、世知辛い現実から目をそらしたくなることの多いミドルに捧ぐ、大人のファンタジー?

 でも話の中身は、結構イタイ。ホテルや旅館を対象とする最近の調査で、3割が「外国人を泊めたくない」と答えていた。でも、例えば介護の分野では、安い労働力として外国人の受け入れが始まっている。この辺りの、現実社会における、外国人に対する日本人の狡さや差別意識が、本作にも、かなり顔を出しています。ほら、イタイでしょ?あり得ない事ばっかりのフィクションを、笑い飛ばせる現実に…なるのかなぁ。


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最終更新日  June 2, 2019 12:00:46 AM
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May 29, 2019
みなさん、こんばんは。また安部さん、トランプさんから戦闘機を沢山買ったんですね。
使いもしないのに買ったんでしょうか。買ったからには使いたくなりませんかね。

さて、今日はほのぼのした物語を紹介します。

星降る楽園でおやすみ
中公文庫/青井夏海

NHKのドラマにもなった、助産師探偵シリーズ『赤ちゃんをさがせ!『赤ちゃんがいっぱい』。その原作者が、本作の著者、青井さんだ。

 本作では、無認可保育室「アイリス」に二人組の男が籠城し、園長・早紀と園長の姪・淑恵、5人の子どもが人質になる。身代金はひとり500万円。身代金を持って来た順に子供を返すだなんて、子供を先に返された親が、警察に通報してしまったら、事件はあっという間に知れてしまうだろうに。でも、こんなツメの甘い犯人達を、なかなか出し抜けない状況が続く。内部の様子に詳しい犯人達に、「協力者がいるのでは?」と疑心暗鬼に陥る早紀と、右往左往する両親達が交互に描かれる。

 ところで、一点のみ気になった。「あとになって早紀は…疑心暗鬼に駆られることになる(p10)」「…早紀は臓腑をえぐられるほど後悔することになる(p12)」などという前フリはなくても良いのでは? 事件が起こるまでにもう少し間があれば、こういった描写は「何が起こるんだろう?」と読者の興味を惹く伏線たり得るだろうが、本作の場合、13ページめで事件が起こるので、前フリと事件との間にそれほど間が空いていないのだ。


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最終更新日  May 29, 2019 12:00:29 AM
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April 14, 2019
みなさん、こんばんは。新入生&新人社員がどっときたのか毎日電車が混んで大変です。

さて、こちらは戦うオンナノコがヒロインです。

ラブファイト 聖母少女(上)
(講談社文庫)
まきの・えり

 あだち充さんの漫画では、ヒロインの方が主人公よりも断然頭もスタイルもよく人気があるパターンが多かった。大人気漫画『タッチ』でも、ヒロインは優等生で新体操のエースなのに、彼女に好かれる主人公は、最初のうち弟の引き立て役。しかし、結局は主人公も甲子園を目指して野球を始め、ヒロインともども、それぞれ好きな道を選ぶ。

 ところが、本作ではヒロイン・亜紀が主人公・稔と同じ道、ボクシングを選ぶのだ。映画でも『ガールファイト』『ミリオンダラー・ベイビー』など、闘うヒロインが登場している。時代は変わったなぁ。

 ヒロイン、亜紀の不器用っぷりを見ていて、「ああ、こんなに、女の子は女の子であることに苦しんでいたっけ」と思い出していた。試合でキワもの扱いされたり、幼なじみの態度の変化に苛立つ亜紀を見ていると、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』からの言葉『人は女に生まれるのではない、女になるのだ。』という台詞も何だかふに落ちた。大人も子供も、不器用でいとおしい人たちばかりが登場する話。


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最終更新日  April 14, 2019 12:00:34 AM
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April 9, 2019
みなさん、こんばんは。カルロス・ゴーン夫人が出国しましたね。やはり後ろ暗いところがあるのでしょうか。

さて、今日は恋愛小説を紹介します。

誰よりもつよく抱きしめて
光文社文庫
新堂冬樹【著】

​「愛という感情は、複雑であり、多様だ」と何かの雑誌で読んだことがある。いろいろな感情をひとつにまとめるのは難しく、とりあえず便利だから、「愛」という名前をつけてしまっているのだ、とも。

 なるほど、だから、愛に正解などないと感じるわけだ。さて、本作の主人公は、「愛って何だろう」と悩み苦しむ一組の夫婦である。結婚して何年にもなるし、それぞれに仕事も持っている。お互いの存在が心地よい。しかし二人は夫の極端なまでの潔癖性が原因でセックスレス。そのために、二人の夫婦関係が揺らいでいく。

 体のふれあいがないのに、愛していると言えるのか?ここにもまた、自分達にとっての愛を求めてさまよう人達がいる。たぶん、いつかどこかであなたが迷ったように。優しい人たちばかり登場するので、韓国ドラマ『冬ソナ』に胸をときめかせた女性達にもウケそうだ。


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最終更新日  April 9, 2019 12:00:44 AM
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October 14, 2018
みなさん、こんばんは。来年はGW10連休ですって。嬉しいような、給料が寂しくて悲しいような。

さて、本日は大人になれない大人と大人にならざるを得ない子供の話を紹介します。

猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本紡
新潮文庫

「モンスターペアレント」に代表されるように、「大人になれない大人」が増えている。そして、「否応なく大人にならなければならない子供」も。

 本作は、そんな現実を反映したかのような家族構成になっている。父が亡くなり、二度目の父は外面はいいけどDVに走り、あげくに家を出る。そして母親も男を追って家出。十七歳にして一家の大黒柱となったみずきは、腹違いの弟のコウちゃん、友だちの健一君と過ごす木曜日の夕食が楽しみ。

 「わたしだってお母さんのことをそれなりに愛してはいる。なにしろお母さんなわけだし。ただ、十七にもなると、さすがに無条件ってわけにはいかない。(p30)」と、ネグレクトされた子供にしては、親に対しても極めてクール。だが、猫の不妊治療をしなかった主婦が、生まれた子猫を次々と捨てていた事を知り、心の奥底に抑えていた思いに気づく。「次々生まれた子猫を捨てる主婦」に、みずきが誰を見ていたかはすぐに分かるだろう。でも「捨てた親へのリベンジ」に走るのではなく、「不幸をこれ以上生まない処置」を選ぶところに救いがあって良かった。


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最終更新日  October 15, 2018 12:24:16 AM
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October 6, 2018
みなさん、こんばんは。三連休突入ですね。
台風は関東を逸れるようです。

さて、みなさんビネツはありますか?熱のことではなく美に対する熱意のことです。
そんなビネツについての小説を紹介しますね。

ビネツ
小学館文庫
永井するみ

 「『ビネツ』と聞いて『微熱』を想像した」と角田文代さんが解説で述べている。本当は「美熱」=「美しさへの熱中」なのだが、角田さんの想像も、あながち間違ってはいないかも。なぜなら、登場人物達の持つ「熱(欲望、と言い換えてもいいかもしれないが)」は、初めのうちは、本当に微かなものなのだ。

 青山の有名なエステサロンにスカウトされたエステティシャンの麻美は、同僚を憚って「ほんの少しだけ出っ張った杭でいよう」と努める。OLの舞は、異性からのウケがいい同僚に憧れて、彼女の服装を真似てみる。

 だが二人の欲望は、次第に大きくなってゆく。周囲から、カリスマエステティシャンの再来と称されるようになった麻美は、彼女を超えたいと願うようになる。舞は同僚にならってエステサロンにはまり、金銭的に破綻をきたす。彼女達だけではない。麻美に嫉妬する同僚、麻美を利用してエステサロンを繁栄させようとするサロンのオーナー・京子、女から女へと渡り歩く京子の夫・安芸津。エステサロンで動く多数の「手」と、人々の欲望が「手」の形をして絡み合う様が、二重写しに見えてきて、ぞくぞく。但し、「これから何が起こるんだろう?」と思わせて、「あれっ、これで終わりなの?」と感じたエピソードがいくつかあったので、少し残念だった。


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最終更新日  October 6, 2018 12:32:23 AM
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September 16, 2018
みなさん、こんばんは。
今週末は台風は来ないようですね。でも世界中で異常気象続きです。
さて、今日は昭和の歌をテーマにした書籍を紹介します。

かたみ歌
(新潮文庫)
朱川湊人

 「三丁目の夕日」などで、現在ノスタルジィブームになっている昭和30年代。そこからもう少し、時代は進んで40年代、東京・下町のアカシア商店街で起こる様々なことを、主人公を変えて綴る連作短編集。共通するのは、主人公達がこの世ならぬ存在と遭遇することと、町の古書店の店主と、何らかの関わりを持つこと。黄泉の国と繋がっている石灯籠や、幽霊の出没する町など、舞台を江戸時代に設定して、別のパターンが作れそうな作品と感じた。

 芥川龍之介似で、有名な野球選手と同姓同名の書店主は、町の人達のいろいろな人生の傍観者であり続けるが、最後に自分が物語の主役となって登場する。このまとめ方は定番的とも言えるが、おさまりとしては良い。彼と文才豊かな妻との関係は、金子みすずと夫のそれを彷彿とさせる。この書店主と妻の関わりを、第三者の説明よりも、当事者により多く語らせた方が、読者の、書店主に対する共感度が増したのではないだろうか。出来事にせよモチーフとなっている歌にせよ、時代との結びつきが強いので、年代により読者を選ぶ作品となるだろう。


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最終更新日  September 17, 2018 12:09:34 AM
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October 20, 2017
みなさん。今日も雨です。寒いです。そして明日は選挙。投票率はさがりそうです。
さて、今日紹介するのは落語がらみのお話です。

こっちへお入り
(祥伝社文庫)
平安寿子

 ペンネームの元にもなっている『アン・タイラー』の作品を「すっとぼけていて、落語的」とコメントしていた平さん。友人に誘われ落語教室に参加することになった三十代独身OL・江利が主人公の『こっちへお入り』。

 落語をテーマにした作品といえば、映画にもなった佐藤多佳子さんの『しゃべれども、しゃべれども』があり、こちらが二ツ目の落語家を主人公にしているのに対して、本作は全くの素人が主人公だ。章末に、江利のコメントとして、落語家や落語の演目に関する解説が挿入されているため、落語ビギナーでも楽しめるのではないだろうか。勿論、落語を知っている人でも、NHKの朝ドラ『ちりとてちん』に登場した『崇徳院』や、宮藤官九郎さん脚本のTVドラマ『タイガー&ドラゴン』で取り上げた『三枚起請』も登場するので、興味を持つかもしれない。

 小池真理子さんのほどイロっぽくもなく、角田光代さんのほどヘタレでもない、ヒロイン設定も親しみやすい。『大工調べ』の与太郎(間抜けキャラ)に触発されて、生意気な部下に逆襲したり、『文七元結』の父と娘の関係に、自分と親とをあてはめてみたり。等身大のヒロイン・江利が、落語を通じて現実の様々なトラブルや、家族や友人など身近な人との関係を見つめ直していく姿が軽妙なタッチで描かれており、するするっと読める。


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最終更新日  October 20, 2017 06:41:10 AM
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