金田一耕助を長谷川博己が演じる~テレビドラマ『獄門島』
みなさん、おはようございます。 NHK‐BSスーパープレミアム獄門島を見ました。どうも横溝特集をやっているらしく、映画でも獄門島や犬神家の一族を放送していました。ミステリ作家が過去の横溝作品についてあーだこーだ語る番組を2つ見たのですが、これがばっちりでした。『八つ墓村』『犬神家の一族』に共通する複雑な財産分与のロジックや復員兵というキーパーソンをよく使うという特徴をあらかじめ抑えておいてくれたので、ドラマを楽しく見られました。【出演】長谷川博己,奥田瑛二,仲里依紗,小市慢太郎,菅原大吉,綾田俊樹,山中崇,谷田歩,岡山天音,堀田真由,秋月成美,吉田まどか,古田新太,山田真歩,柳俊太郎,瑳川哲郎,山崎銀之丞,中西美帆,石田法嗣,八十田勇一,師岡広明,大津尋葵,吹上タツヒロ,石井テルユキ,萩原宏樹終戦直後、瀬戸内の孤島を訪れた金田一耕助。僧の了然の案内で島の実力者・本鬼頭家にやってきた金田一は、そこで美しい女性・早苗と出会う。さらには島に似つかわしくない奇抜な風体の3姉妹にも。そしてある晩、末妹の姿が消える…。 石坂浩ニさんや古谷一行さんも演じてきた金田一耕助を演じるのはハセヒロこと長谷川博己さん。カッコ良すぎるんじゃない?三の線なんて出せるのか?と思っていましたが、狂気を出していました。テーマソングがマリリン・マンソンでパンクでロックな獄門島が始まりました。「これって戦後間もなくという設定だよね?」と思いましたが、事件はその時期だからこそ起こったとも言えるのです。死者の呪縛に囚われて医師、村長、僧侶など村の名士が殺しに関わったりわざわざ見立て殺人をしたり、普通ではありえない事が受け入れられるのは、島という世間から隔絶された世界だから。 獄門島で句に見立てて三姉妹が次々に殺されていく。ヒントは最初から名探偵の前にあったのに耕助が止められない。探偵って事件を解決はするけど、止められはしないんですね。そしてマドンナに振られる。殺人事件が漏れなくついてくる寅さんみたい。 あんなに犯人に対して怒りを剥き出しにしたっけ?と過去作品を思い出してみました。エネルギッシュで戦争の狂気に囚われている金田一は新鮮でした。そしてなぜ金田一が事件を追うのか?という理由が分かった気がします。 彼は戦争で人々が理由もなく殺し合うのを見てきたし、おそらく自分でも必要に迫られて殺してきたはずです。そして戦争が終わり、もうあんな理不尽な事は起こらないはずだと思います。そして人々も、あれほど殺し合ってきたのだから、あれほど身近な人が戦争で死ぬのを見たのだから、誰も殺そうとしないだろうと考えます。なのに殺人事件が起こってしまった。なぜ人は殺さずにいられない生き物なのか?その謎を探し求めて、故郷のない耕助はどこへでも出向いてゆくのでしょう。これが金田一が事件を追う理由であり生きる理由でもあるのです。和尚とのお堂でのシーンは、舞台のようでした。長回しの長台詞。たたみかけるように台詞を吐き、最後に全てを台無しにするような事実を突きつける。ヒーローらしいとも言えるのですが、その凄まじい怒りの方に気が取られてしまいました。 次回作は『悪魔が来たりて笛を吹く』になりそうです。獄門島 [ 長谷川博己 ]楽天で購入