遂にお嬢様脱却か! ミステリ「貧乏お嬢さまの困った招待状」
みなさんこんばんは。霧馬山が大関昇進で霧島になるそうです。今日は貧乏お嬢様シリーズの最新刊を紹介します。貧乏お嬢さまの困った招待状God rest ye,royal gentlemenコージーブックス 英国王妃の事件ファイル 15リース・ボウエン原書房 結婚して初めて迎えるクリスマス・パーティーの準備は問題だらけ。友人ベリンダ・ドイツ人の恋人マックスを持つ母・ゾゾらに招待状を送るが、いずれも空振りで兄夫妻くらいしか来ない。ダーシーに「ホームパーティっぽくていい」と慰められるが、そんな矢先ダーシーの変わり者の伯母から思わぬ招待状が届く。彼女は王妃の元侍女として、近くに土地を与えられていた。ジョージーは急遽、伯母のパーティーへ参加することにするが、急な招待の裏では王妃が糸を引いているようだ。 強烈な登場人物が今回は少なそう…と思いきや、土壇場でマックスと喧嘩した母が戻ってきてサンドリンガムに同行するわ、デヴィッド王子と噂の恋人シンプソン夫人がやってくるわで、どうやら穏やかなクリスマスは迎えられそうにない。出会えば喧嘩の二人の喧々囂々の会話がいいスパイスになっている。 訳もなく男性が不審死を遂げるメインのミステリはさておき、今回の肝はとうとう国王が亡くなることだ。エリザベス王妃は相変わらずデヴィッドとその恋人に頭を悩ませているが、デヴィッド皇子は「国王になれば何でもできる」=シンプソン夫人を王妃にできると確信しているかのようだ。これまで「そうなったらどうしよう」と登場人物達が頭を悩ませ、一方史実を知る読者は「運命のXデイはいずれくる」とはらはら。自らの身に起こる激動の運命を知らず、牧歌的な暮らしを楽しむエリザベス王女が不憫だ。貧乏お嬢さまの困った招待状 (コージーブックス 英国王妃の事件ファイル 15) [ リース・ボウエン ]楽天ブックス