神谷ちづ子・ついつい・一言

いやいやいや～、なんとも心地いい旅館に泊まりました。

日光・川治温泉「柏屋」。


雑誌や旅番組で話題になるような高級旅館ではないんです。

美しい山と川の風景があるけれど、町自体は、

なんとも寂れた雰囲気に包まれている。

建物も、やや古びた感じで、お洒落なたたずまい、というわけではない。

でも、隅々まで掃除が行き届いている。

超一流の料理、と言うわけではないし、

高級食材が並ぶわけでもなく、

一品一品、丁寧に出してくれるわけでもないけれど、

でも、大事な部分はぬかりなく、熱いものは熱いまま、

冷たいものは、食べる直前にスッキリ冷えたものを・・

という配慮が行き届いている。

限られた中で、美味しいものを、という料理人さんの誠意が伝わってくる。

それらの料理を、仲居さんが気持ちよく運んでくれる。

なによりも温泉が実にいい。お湯がいいんです。

源泉かけ流しの半露天風呂は、少しぬるいけれど、

文句なく源泉かけ流しだし、それを温めた露天風呂と内風呂がちゃんとある。

高級タオルではないけれど、風呂場に供えられたタオルを、

入るたび、いつも洗いたてのものを好きなように使える。

風呂の中は、掃除が行き届いている。

山と川の風景を目の前に眺めながら、入る温泉は至福の一言で、

私は５回、一緒に行った弟は７回も浸かってしまいましたよ

朝食は、食堂でいただくんですが、程良くあっさりで、

しかし、例えば目の前でオムレツを焼いてくれたり、

出来たて豆腐が出てきたり、

コーヒーを好きなだけ飲めたり・・と、

大事な部分は、手を抜いていない。

なによりも、仲居さん達が、実に温かくもてなしてくれ、

それで、一人１万円台。

これまで、最低２万は出さないと、満足できるサービスは

望めないものと信じていましたが、

そうではないんだなぁ、探すとあるんだなぁ・・

見解を新たにしましたね。

しかし、そんな旅館でも、３連休の３日目なのに、

稼働率は多分、３割ぐらい・・。

川治の町は、閑散としていましたっけ。

それでも川治は、温泉がいいため常連客が来てくれるので、

まだまだ、ましなのだそうですよ。

確かにその手前の鬼怒川温泉なんか、

この近辺の中心的町でしょうに、さらに寂れていて、

倒産した旅館や商店や施設が随分と目立ち、

なんとも、悲しい印象でしたね。

個人的には、温泉一人占め出来て、大満足ではありましたが、

日本人よ、もっと北の温泉に行こうですかね。