神谷ちづ子・ついつい・一言

沖縄の翁長知事がジュネーブで開かれた、

国連欧州本部の人権理事会で演説し、

「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」

「日本政府は沖縄で昨年行われた全ての選挙で示された民意を一顧だにせず、

美しい海を埋め立てて新基地建設作業を強行しようとしている」

と批判したそうです。

それに対し今日の産経新聞の記事によると、

区民から「知事は区の民意を無視している」との批判が出ているとか。

だろうな・・と思いますね。

確か、翁長知事が当選したのは、些少の差だったはず。

もちろん、どんなにわずかな差であろうと、選挙は票が多い方が勝ちで、

物事の決定は、得票数が多い側のものになるわけですが、

でも、必ずしもそれが「民意だ」と強調するのは、

ちょっと違うよね・・と私はずっと違和感を感じているんです。

沖縄でも、全員が辺野古への基地移転に反対しているわけではない。

知事は、堂々と国際舞台で「民意だ」と宣言しちゃってますが。

大阪都構想の住民投票で、これまた些少の差で、都構想反対になった時、

橋下氏は、潔く負けを認めましたが、選挙制度ではそうでも、

まあ、大阪の人々の「民意」というのは、「絶対反対」ではなく、

どっちつかず・・というのが現実だったのではないですかね。

今回の安保関連法案に関しても民主党やメディアは、

「国民が反対している」「民意に反して法案を通そうとしてる」

と強調していましたが、デモをやっている人達だけが国民ではないし、

声の大きい人達だけが民意でもないし・・。

辻元女史なんぞ、国会前のデモを持ちだし、

「国民が反対している」と国会で激していましたが、

反対デモをしている人は、国民の一部であって

「国民」と言い切ってしまうのは正しくない。

少なくとも、国民の一人である私は、賛成だしぃ、

他にも賛成派は大勢いるのに、勝手に民意って決めつけられても・・

と違和感、感じていましたよね。

民意って「言ったもの勝ち」ってとこあります。

かつ、必ずしも投票による多数派が「民意」ってわけでもない。

さらにさらに、場合によっては「民意が正しい」わけでもない。

時に民意って、「よく分からないけど、ま、みんなが言うから」

で出来上がるところがあって、多分にいいかげんであったりする。

そういう現実は、分かる人は分かっているのだけれど、

不思議と、分かっているはずの政治家やメディアが

気づかぬふりして、都合よく「民意」を使うから、

いろいろ面倒になる。困ったもので・・。

「民意って、言ったもの勝ちよね」・・と

みんなで理解しているくらいが、正しいんですけどね。