明日はいよいよCOP10蒲郡です。私もパネリストとして蒲郡の蝶の紹介をします。
パネリストの発表時間は1人10分くらいしかとれませんので、話す蝶はアオスジアゲハ、アサギマダラ、ジャコウアゲハ、ヤクシマルリシジミ、ムラサキツバメの5種類に絞りました。
今日は競艇場へ仕事に来ていますが、仕事をしながら発表用のパワーポイントを創りました。
その中のムラサキツバメについて覚え書きですが、少し書いておきます。
ムラサキツバメは20年前には三重県以西と言われていましたが、今では関東まで生息範囲を拡げています。この前トライアスロンの日本選手権で行ったお台場海浜公園にも、泊めてもらった川崎市の公園にもムラサキツバメの幼虫がいました。
温暖化によって、生息範囲を拡げた蝶は他にもたくさんありますが、ムラサキツバメの著しい北上はそれだけが原因ではありません。
食樹であるマテバシイが街路樹、公園用樹として広く植えられるようになったことが大きな原因のひとつと考えられます。マテバシイは常緑で耐寒性もあり、塩害にも強く、大きなドングリが生る樹として、臨海緑地には必ずと言ってよいほど植えられています。この付近の山は自然に生えているドングリの樹はツブラジイ、スダジイなどのシイの樹が主体であり、山に自然に生えるマテバシイはあまり見たことがありません。
豊橋でもムラサキツバメがたくさん見つかっていますが、豊橋市には街路樹として1400本ほどのマテバシイが植えられているそうです。
蒲郡でも蒲郡緑地とその隣の浜町グランドに合わせて100本ほどのマテバシイが植えてあり、ここでムラサキツバメを見ることができます。
年に3~4回発生を繰り返し、成虫で越冬します。8月~10月までは成虫を探すより、幼虫を探す方が簡単です。
冬は成虫で越冬し、常緑のマテバシイやツバキなどの葉の上で集団で越冬する習性があり、この越冬集団を見つけるのが今年の冬の課題のひとつです。ムラサキシジミやルーミスシジミは一部が枯れた常緑の葉を好んで集まるようですが、ムラサキツバメは枯れていない葉に集まると言われています。小春日和の日には冬でも飛ぶことがありますから、飛んでいる時に追いかけて見つけるのがよいのでしょうか
お台場海浜公園のムラサキツバメ幼虫です。