食草から見た蒲郡の蝶のその24です。蒲郡にはエノキを食樹とするものが3種類います。ゴマダラチョウとヒオドシチョウとテングチョウです。ヒオドシチョウの名前は端の模様が鎧の緋縅に似ているからで、キタテハよりも綺麗な蝶です。年1回の発生で、蒲郡では5月末~6月初旬に出て、1~2週間ほど活動して、夏眠に入り、翌春まで成虫で越冬します。3月~4月にかけて暖かくなるとまた活動して、エノキに産卵します。従って見られる期間は年に2回ですが、春は擦れた個体ですので、新鮮な個体が見られる期間は5月末~6月中旬のほんのわずかな期間です。その時期にエノキの木のある山頂(五井山、遠望峰)などで見ることが出来ます。越冬個体を見るならば、遠望峰の頂上に3月~4月の暖かい日に行くとテリ張りしています。
ヒオドシチョウ完成図 posted by (C)ドクターT
この蝶の幼虫は集団行動をすることで有名で、幼虫のついている枝だけが丸坊主になります。写真の背景は5月21日に撮った鹿島町のエノキの木ですが、中央部が丸坊主になっています。(拡大が右上にあります)
ヒオドシチョウ─エノキ分布図 posted by (C)ドクターT
観察出来る期間が短いことから蒲郡ではあまり多くは見ていませんが、エノキはかなり広範に分布していますので、もう少しいろいろな場所にいてもよいと思います。