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2016年03月10日
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カテゴリ:読書



異邦人 [ 原田マハ ]

異邦人 [ 原田マハ ]
価格:1,836円(税込、送料込)



【内容情報】(「BOOK」データベースより)

たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、

出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。

妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、

気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われる。

画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。

深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていたー。

京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。

『楽園のカンヴァス』の著者、新境地の衝撃作。




主題である絵画の世界はもちろんのこと、京都の文化や優美さも堪能できる

読みどころ満載の魅力ある作品だった。

登場人物がほとんどセレブ的であり、一般人にはなじみの薄い美術関係の世界なので、

読む人によっては感情移入がしづらいかもしれない。

菜穂が優れたキュレーターであるのは、習得していった能力ではなく、

天性のものとして描かれている点に、ややわだかまりを感じるのも否めない。

しかし、無名の若き女性画家、樹(たつる)の才能が親譲りであったことや、

菜穂との関係などが明らかになっていく展開は、ドラマチックで引き込まれた。


画家がその才能を存分に開花するには、

優れた審美眼を持つ庇護者が必要なのであろう。


『異邦人(いほうじん)』と書いて、『いりびと』と

果たして本当に読めるのか疑問であるが、

カミュの「異邦人」を連想せぬよう、そして、和風に読むことで、

あくまでも日本画家、日本の画壇、日本人を書いた作者のこだわりであろうか。





睡蓮g574_200.jpg


画像素材-g-sozai.com





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Last updated  2016年03月10日 11時51分19秒
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