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カテゴリ:どんなもんだい鶴巻温泉
シンガーソングライター吉田拓郎が歌う「夏休み」は、 麦わら帽子に蝉の声 絵日記、花火 きれいな先生 水まき、夕立、、田んぼの蛙 西瓜、ひまわり、畑のとんぼ (作詞 作曲 歌 吉田拓郎「夏休み」より) という具合に、夏の言葉が散りばめられていて、 この夏の世界はある年代以上のほとんどの人にとって、 とても懐かしい夏休み、そして夏の思い出の原風景なんだろう‥と思う。 かくいう私も、 身体にまとわりつくネットリした草いきれの熱気や、 夕立後の、雨に湿った土の匂いを五感で感じるような‥ まるで、自分もこんな夏休みを過ごしたかのような気がするが、 実は、私の育った家の周りは畑も田んぼもなく、 デパートまで歩いて10分もかからない街中だった。 住宅街から道を一本隔てた表通りは、 通称、駅前銀座と呼ばれた大きなアーケード街で、 どこの店も景気が良い時代で、自転車や軽トラで 忙しげに駆け回る御用聞きや配達人で賑わっていた。 だから夏休みといっても、田んぼの蛙や 畑のとんぼとは馴染みが無いのだが、 それでも大概の家では、夕方になると軒先に打ち水をし、 西瓜を食べながら、子供は線香花火をしたり、大人たちは ご近所とダベったり、笑ったり‥ 暑かった今日一日の疲れをねぎらい合っていたように思う。 私が「吉田拓郎の夏休み」を懐かしく思うのは、 同じ体験をしていなくても、このような共通する 時代の空気が在るからで、そこに自分の子供時代の 時間が投影されているように思うからだろう。 私もウチの彼も、帰省する故郷を持っていないから、 秦野が故郷の子供たちが羨ましくさえあって、 よーし、私たちもいずれはココに骨を埋めようと‥ ヤビツ峠の麓に小さなお墓まで入手してしまった。 裏山で見つける四季の移り変わり、 川遊びの楽しさ、町内会の夏祭り、 いまや失われつつある日本の「故郷」が、 私たちが希求して止まない幻のような「故郷」が、 この周辺にはまだ残っている。 持っていなかったからこそ、 ここに暮らす幸せ感に、人一倍敏感になるのかもしれない‥。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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