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こんぱすコーチの全方位日記

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2011年07月31日
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カテゴリ:街・建物
昨日の日記の続きです。

松島周辺を堪能した後、
せっかくなので津波被害のさまをこの目で確かめるべく、
車を北東方向へ走らせました。
向かうは牡鹿半島の付け根にある漁業の町、女川(おながわ)です。



松島海岸から東へ抜け、三陸自動車道の無料区間を走って石巻市内へ。
市街地のメインストリートを通り抜け、
町外れでやや長いトンネルを2つ越えると、
石巻郊外の町並みが広がりました。

交差点を左折し、通称「女川街道」と呼ばれる国道398号線に入ると、
周囲の景色が殺伐としているのに気がつきました。

街道沿いや道外れを問わず、あらゆる建物がまともに建っていません。
屋根が波打つ家屋や壁がすっかり抜け落ちた鉄筋鉄骨造りの建物。
山の方向へへしゃげていたり、たもとにはがれきがうずたかく積もっていたり…。

アスファルト舗装のはずの道路はやけに白っぽくほこりっぽい。
交通標識が根元から海岸とは反対方向に折れ曲がっています。
信号機に灯が入っていない交差点も。

ここ、石巻市渡波(わたのは)地区も津波の被災地のひとつ。
Googleマップで掲げられている上空写真を見ると……。



建ち並ぶ住宅の合間あいまに白くなっている空間がありますが、
これら空間のほとんどは津波で流された住宅跡。

3.11から早くも4か月が経過し、
一部ではふだんの生活に戻っているようではありましたが、
まだまだ町全体の復興にはほど遠い光景が広がっていました。

さて女川街道は渡波地区を過ぎると深い入り江の縁ににとりつきます。
ここはあまり津波の被害がなかったらしく、
ほとんど家がふつうに建ち並んでいますが、
門の前や庭の中には何層も土のうが積み上げられていました。

街道と海岸の間には3月11日以来
列車の走らなくなったJR石巻線の線路が走っていますが、
海水が線路の道床を洗っていました。
この地域は地震の影響で周辺の地盤全体が沈み込んでいるようです。

そうこうしているうちに車は女川町の郊外に入り、
入り江のふところにさしかかります。
入り江終端には多くの家や倉庫が建ち並ぶ向こうに
『高政』と大書された建物が見えました。
女川の老舗かまぼこメーカーで、
辛くも津波の直接被害からは逃れることができ、
復旧が進みました。

当初は名物の揚げかまぼこを周辺の避難所に無償で差し入れる活動に専念、
その前向きでボランタリーな取り組みが報道でも何回か紹介されていました。

その『高政』を右に見ながら街道は上り勾配にさしかかります。
女川の中心部へ抜ける峠を越えるのです。

峠を越えるか越えないかといったところで、
沿道の建物に変化があらわれてきました。
屋根が傾いている住宅。よく見ると壁がありません。
倉庫とおぼしき建物。折れ曲がった鉄骨の柱しか残っていません。
どうもここまで津波が襲ってきたようです。
海ははるか眼下。
この峠までは目測で海抜20~30メートルくらいありそうですが、
こんなところまで大波がかぶさってきたことなんて
にわかには信じられません。

すれ違う車はダンプばかり。
おそらくがれきを運び出しているのでしょう。

峠を越えた街道は、女川の中心部へ向けてひたすら下り坂。
進むにつれてますます目の前に惨状が広がってきました。
津波が襲う前の街道沿いは多くの住宅が建ち並んでいたと思われるのですが、
コンクリートの基礎ばかりがむき出しになっていて、
地面からは夏草が生い茂っていました。



そして車は女川の市街地とおぼしき場所に到着。
「おぼしき」と書いたのは、現状の光景が到底、
町の中心部だったとは想像できないくらいの荒涼とした景色だからです。



上写真の左側建物は5階建ての旅館だったビル。
パッと見た感じでも津波が5階の高さまで到達したことを思わせます。
手前の空き地にも津波が襲う以前は建物がひしめいていたのでしょう。







上の写真はすべて、女川の中心部であるJR女川駅近辺の光景。
小さい建物は跡形もなく、
鉄筋コンクリートの建物も壁が流失しご覧のとおりです。
人っ子ひとりおらず、殺伐とした光景が広がるばかりで、
息をのむばかりです。



上の写真はJR女川駅。
手前道路の向こう、一段上がっている砂利敷きは、
おそらく線路があった場所。
その向こうの背丈の低いコンクリートはプラットホーム跡です。
上屋が跡形もなくなり、パッと見た感じではとても駅には見えません。



この鉄筋コンクリート造りのビル。
パッと見「何かヘン」と思いきや、よくよく見ると横倒しになっています。
手前の、壁に見えるコンクリートの面は、
実は地面に向き合っていた床なんです。
津波のパワーのすごさを思い知らされる光景です。

写真には撮りませんでしたが、
道路という道路もすべて砂利道のようにガタガタでした。
いずれもアスファルト舗装されているのですが、
波に洗われ、がれきの洗礼を受けた結果、
アスファルトの表面が削られてしまったのでしょう。

津波が来る寸前までは、車の往来があり、
水産加工の工場では多くの人たちが働き、
それぞれの人々の生活がごくふつうに見られていたのでしょう。
3月11日を境に、その町は死の町に変貌してしまいました。


その女川を後にして、埼玉へ戻る帰途、
石巻港の臨海部を走っていると、
空き地という空き地はすべてがれきや
津波に流された車の廃車置き場になっていました。



阪神・淡路大震災でも被災地の惨劇を目の当たりにしましたが、
そのときは確かにそこに建物があったことを偲ばせました。
今回の津波被害に遭った場所では、
そこに建物があったことが容易に想像できないくらい、
何も残っていない荒涼とした光景が広がっているだけでした。

同じ地震でもケースによって被害の次元や大きさが
まったく異なることを思い知らされたことです。






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最終更新日  2011年07月31日 23時38分29秒
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