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テーマ:昭和の思い出(63)
カテゴリ:ビジネス・経済・政治
PM2.5に代表されるように、
中国の公害問題が話題になっています。 彼の地で発生したスモッグが偏西風に乗って 日本にも上陸したこともあり、 「不届きな国」とレッテルを貼ってしまいがちですが、 しかし日本も40数年前は 決して中国のことを悪くいえないくらい 公害を撒き散らしていました。 子ども心に印象に残っているのは 『光化学スモッグ』というヤツです。 夏の日差しの強い日に発生しやすいスモッグで、 このスモッグに接すると、 頭痛や吐き気、めまいに襲われるケースが相次ぎました。 そこで当時の行政はスモッグの発生度合いを 市民に知らせる仕組みを整えて、 アラートを出すようになりました。 「光化学スモッグ注意報」 「光化学スモッグ警報」 といったものです。 「注意報」が発令されると黄色の旗、 「警報」が発令されると赤い旗が 学校の朝礼台に掲げられて告知されました。 さすがに警報を示す赤旗を見た記憶は ほとんどありませんが、 注意報を示す黄色の旗は しょっちゅう見た記憶があります。 川や海の汚れも酷かったですね。 大阪市内と堺市とを分かつ大和川の汚れも かなりものでしたが、 僕が最も印象に残っているのが、 大阪の北部を流れている「神崎川」です。 小学生の頃、母方の祖父母が 阪急宝塚線沿線の石橋というところに住んでいて、 しばしば遊びに行ったのですが、 阪急電車の宝塚行きの急行に乗ると、 十三の次の三国という駅を通過します。 aikoの持ち歌にある『三国駅』のモチーフとなっている駅。
今は線路が新しく付け替えられて 今風の近代的な高架駅に生まれ変わっていますが、 僕が小学生の頃の三国駅は、本当に昭和の雰囲気の残る こぢんまりとした古い駅で、 この駅のホームが途切れたところが、 神崎川にかかる鉄橋でした。 たぶん川底にはおびただしい体積のヘドロが うずたかく積もっているのではないか、 と思わせるほど、川の水はどす黒く濁り、 しかも強烈な悪臭です。 鼻がもげるくらいの勢いでした。 で、この三国駅の出口あたりの線路が 半径100mの急カーブなので、 通過する急行電車も自転車並みの速度に落とすんですね。 当時はクーラー車が珍しい頃でしたから、 夏場だと窓を全開にしているわけですが、 その開いた窓から鼻がひん曲がりそうな悪臭が 車内に入ってくるわけです。 ですので未だに「三国駅」と聞くと、 あの強烈な悪臭が セットとしてよみがえってくるんですね。 ま、それくらい当時は公害がひどかったわけで。 その後、社会人になってから何度か三国駅を通過しましたが、 その頃は以前の悪臭を放っていたのが嘘みたいに きれいな川面が拝めました。 そう考えれば感慨深いものがあります。 あの頃は最悪の気分だった公害も、 今となっては懐かしい昭和の記憶のひとコマですね。 で、40数年前の大公害時代を乗り越えて今があるわけで、 ですから中国も今は公害かまびすしいですが、 ゆくゆくは今は昔の世界になっていくのだろうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年06月09日 21時46分40秒
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