尾道散策 千光寺山の中腹を横移動
尾道散策の続きです。尾道観光の中心は、千光寺山とそのふもとに広がる尾道のアーケード街や、尾道水道沿いになります。最近、若い観光客が急増していますが、おそらく、一般的なコースとしては、尾道のアーケードの商店街を歩いて、ロープウェイを利用して展望台に上がり、そこから、千光寺を経由して、下に降りてくるパターン。あるいは、歩いて千光寺に上り、また、歩いて降りてくる、という、平地の横移動と、千光寺への縦移動の組み合わせになりますね。ただ、「お寺めぐり」を目的とした場合は、山陽本線から山側の細い路地を歩くことになります。ということで、ロープウェイ乗り場のそばの艮神社から、山陽本線の山側を歩いて、天寧寺へ。その山門が最初の写真です。室町時代に開山した古いお寺で、三重塔も、天寧寺のものです。天寧寺の上に三重塔、そのさらに上に千光寺が見えますが、この日はちょっと霞が強くて、分かりにくいですね。天寧寺には、五百羅漢があります。江戸時代から明治の初めにかけて寄進されたものとのことで、しっかりと彩色されているのが特徴です。とても表情豊かですね。天寧寺の山手を通って、千光寺山の中腹を横断することにします。階段の中央にあるのは、自転車やバイクを押して歩くためのスロープです。坂の町ならではの知恵ですね。天寧寺の山側の小道には、天寧寺と墓地をつなぐ通路がかかっています。そして突き当たるのが「わらびもち」の看板のかかったお店。「昇福亭千光寺道店」 閉まってます。「昇福亭千光寺道店」から上を見ると、階段が伸びていて、三重塔のそばを通って、千光寺に行けます。下に降りると、商店街へ。この通りが「千光寺道」といいます。私は千光寺道からそれて、山腹を横移動。かつては多くの人が暮らした千光寺の山腹も、車で入ることができない不便さのため、空家だらけで、崩壊しかけた住居も多い。こういった路地にも、なんかおしゃれっぽいお茶屋さんがあったりします。長く石垣が続く路地の上下には、大きなお屋敷があった場所ですね。そのお屋敷の一つ、「福井邸」を利用して、「文学資料館」になっています。路地を横移動していくと、「千光寺新道」という、千光寺に上がる、もう一つのメイン通りに出ます。そこに新しくオープンしたのが「LOG」という施設。純日本風の門をくぐって中に入ります。中には、門とはぜんぜんイメージの違う鉄筋コンクリートの建物。かつて、「新道アパート」と言われていたものをリノベーションして新たにオープンしました。かつては窓であった場所でしょうか?大きくくりぬいて、まるで額縁のようですね。おしゃれっぽいレストランもあります。が、私の見る限り、人がほとんどおらず、お店もガラガラな印象で、「大丈夫かな?」とちょっと心配に。二階に上がると、片隅で、二人の女性がお茶をしていましたが、ほかに人影はありません。3階は宿泊施設になっているようで、宿泊客以外は上がれません。こちらはトイレ。木製の扉が入っていて、トイレを洗わず男性マークも小さ目で、洗練された雰囲気。中に入ってみると、ほんとにおしゃれでした。総スモークガラス。スモークガラスの引き戸を開くと、トイレ。なんか、落ち着かない感じ・・・・。調べてみると、なんと、一泊20000円とかで、かなり高め。リノベーションにもかなりお金がかかってそうですし、高級路線のお宿のようです。興味のある方は、こちらをどうぞ。⇒LOGHPを見ると、確かに、宿泊施設はかなりスタイリッシュ。こちらの記事も参考に⇒スタジオ・ムンバイが既存集合住宅を改修した、広島・尾道の宿泊施設「LOG」が予約受付を開始中LOG から下を見ると、こんな感じです。これが、千光寺新道という、千光寺へのメインストリート。私は、さらに横に向かって移動。壊れたバイクが乗り捨ててあったりして、かなりの荒廃した感じ。ちょうど、千光寺山に張りつくように立っている住宅の、一番上のあたりなので、ふもとからは一番遠く、最も不便な場所といってもいいエリアです。とにかく、廃墟が目立ちますね。雨の予報だったのですが、日がさしてきて、さらに湿気も多く、普段運動不足の私は、もうヘロヘロな感じ。しかし、車を千光寺展望台の駐車場にとめてあるので、登らざるを得ません。癒しの猫発見。今回、思いのほか猫に遭遇せず・・・。猫の足跡のついたセメントの階段を上に上ります。この上には、尾道美術館があります。おしゃれっぽい洋館のような建物もあり、かつての繁栄がしのばれます。ヘロヘロになりつつ、やっと千光寺公園の下側の端に到着。「恋人の広場」と名付けられていますが、千光寺公園の中でも、外れに位置しており、人の姿もなし。ヘロヘロのまま、駐車場にたどり着き、車で山を下りました。坂の町尾道を満喫するためには、体力も欠かせません。足腰が元気なうちの、ぜひどうぞ。