カテゴリ:そばの雑学
昨日お約束したそばの結実のメカニズムについて
図書館へ行って調べてまいりました。 「蕎麦考」(長友 大著)に"そばのヘテロスタイリー"について説明してありましたので、ご紹介します。 ヘテロスタイリー!?・・・これはいったい何?? 花が咲けば実がなるのは自然の摂理、誰でも普通はそう思いますよね。 でも、「ナスに無駄花なし」とか「花多ければ実少なし」とか言うでしょ。 人間の女性でも多産系の方とそうでない方がいらっしゃいますよね。 実のところそばも、これで結構デリケートな植物だったんですね。 長友先生がおっしゃるには、そばはひじょうに無駄花の多い低稔性の作物だというのです。すなわち、開花数に対する受精割合がきわめて低い植物だったのです。 その理由は、ヘテロスタイリーにあるというわけです。 花の中の雌しべが雄しべより長い株(長柱花)と、雌しべが短く雄しべが長い株(短柱花)が混在する種のことをヘテロスタイリーというのだそうです。 さらに、長柱花には短柱花の花粉が、短柱花には長柱花の花粉がなければ受粉しないというから、やっかいですね。 だから、そばは株一本だけでは、実がならない。たとえ何本あっても同じタイプの花ばかりでは、実がならない・・・ということです。 ナルホド!それでプランター一杯に花が咲いていたのに、結実した花は今のところ二つっていうわけか!! 小さな鉢に小分けした株は、全くゼロというのも納得できました。 長友先生の本は、ご専門のそばの植物学については第一級(私には難しすぎてよく分かりません)なのはもちろんのこと、その書籍の中にいろいろと文学・歴史などから故事・逸話をひいておられ、ひじょうにおもしろい。 今回も無駄花のところで、太田道灌が蓑を借りようとした時の逸話で有名な、山吹の歌を引用されておられましたので、合わせてご紹介しましょう。 実のひとつだになきぞかなしき そこで私もちょっとひねってみました。 (本歌取りと言ったら叱られますね、きっと・・・) 注文ひとつだになきぞかなしき 酒そば本舗では、皆さんの温かいお心をお待ちしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月23日 11時06分41秒
|
|