カテゴリ:詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等
今朝6時のNHKニュースの中のリポートで、金沢の卯辰山公園に出没するとんびの話題が報じられていました。公園を訪れた行楽客がお弁当を広げる時間帯、どこからともなく現れたとんびが、一瞬のスキを狙って食べ物を奪い去る映像が流れていましたね。ご覧になられた方も多くおられたことでしょう。とんびは上空から品定めをするように旋回し、凄い早さで人の背後から食べ物を奪って飛び去っていくのです。 さて、一転して今度は古い歌謡曲で申し訳ありませんが、 夕焼け空がまっかっか~♪ とんびがくるりと輪を書いた ホーイのホイ~♪ そこか~ら 東京が見える~かい~♪ 見えたら ここまで 降りて来な・・・ と三橋美智也が歌って、大ヒットした「夕焼けとんび」。田舎をあとに高い志とともに東京へ行った若者に火傷をせぬうちに早く帰って来いと続く郷愁を誘う歌詞に、心が甘く疼いた方も多くおられたのではなかと想像します。 私らが子どものころ、遊びつかれて家へ帰ろうとするころ、ピーヒョロロォ~と語尾を長く伸ばす特徴ある鳴き声に空を見上げると、しょざい無げにゆっくりと大空を旋回するとんびを目にしたものです。 昔のとんびはまさに「夕焼けとんび」のように、いかにものんびりとした印象しか記憶にありませんが、現代のとんびはいかに生きるためとはいえ、エサを捕るためにずいぶん危なっかしいことまでするのだなと思った次第。 これではとても大空から東京を窺う余裕などあろうはずもなく、下手をすればとんび自身が大火傷を負いかねないまったくもって危なっかしい生き様と言われても、否定できませんね。 はてさてそう言う我々人間も、実のところいつの間にかとんび以上に余裕のない危なっかしい生き方をしているような気がしないでもありません。 もう一度あのころに戻り、「夕焼けとんび」を見上げてみたいものだと思った次第です。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年05月07日 16時42分09秒
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