カテゴリ:本
日経連載「迷いの旅籠」(宮部みゆき 著)が毎朝の楽しみです。本日11月29日で連載176回。主人公は江戸は神田にある袋物屋、三島屋の女将の姪おちか。おちかが三島屋の客間「黒白の間」に語り手を招き入れて不思議な話や恐ろしい話を聞き出すというストーリー。 第1話は謎の絵師が描いた村の亡者が次々と生き返るという世にも怪奇な話。第2話は、おちかが江戸で人気の仕出し屋・だるま屋がかき入れ時に仕出し屋を休業する理由を聞き出しているうちに語られる、「ひだる神」の話。 この「ひだる神」、不気味ではあるものの愛嬌があっておもしろい。 本日の挿絵(北村さゆり 画)を見ると、だるま屋の主人房五郎と思しき男が、頭をかきかき愛想のいい笑を浮かべている。その左上に目と目の間が離れた何とも奇妙なそれでいて愛嬌のある顔をしたもの(人物?)が描かれている。足がないのに影があるところを見るとこれが「ひだる神」だな。 当地(北陸富山)では、何となく体に力が入らないようなときに、「ひゃ~だる~なった」などとお年寄りが表現することがあります。こういった話し言葉が残っているところをみると、「ひだる神」の存在も身近に感じられようというものです。 房五郎がこの「ひだる神」に取り付かれてより、煮売り屋の商売が繁盛し、新しく興した弁当屋の新商品「ひつまぶし弁当」も大ヒット。大通りに表店を出すまでになった。 これは、今日に語り継がれる不気味な「ひだる神」からは想像も出来ない「幸福を招く神」(妖怪)ではないか。 こんな妖怪なら少々不気味でも取り付かれてみたいような気がしないでもない。(笑! ではなぜ房五郎はかき入れ時に商売をしようとしないのだろう?「ひだる神」が何か関わっているのだろうか?・・・話の続きが待たれます。 どうやら私は、まるで宮部みゆきさんと北村さゆりさんの女性コンビが作り出す奇妙怪奇な世界に、取り付かれてしまったようです。・・・これは何神というのだろう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月29日 11時00分56秒
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